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「お友達になりたいかなりたくないかというのは周りが決めることではなくて、私が決めることです! 私はオティ―リエ様と仲良くなりたいんです!」

「……後悔してもしりませんわよ?」

「後悔なんてしません!」

 

シェフィンコ公爵家の娘として生まれたオティーリエ。

幼少期は我儘娘で、5歳で参加した公のパーティーの場で拒絶されてしまう。

それは彼女の我儘だけが理由ではなく、誰しもに慕われる王太子妃ルイーゼが彼女に近づくなという趣旨の発言をしていたことが大きな割合を占めていた。

父母はオティーリエの味方をしてくれていましたが、兄は完全にルイーゼに与し妹を迫害する側に回った。

 

そんな家族の会話を聞いてしまった彼女は、自分の在り方を見直すことにして……。最初は上手くいかず、泣いてしまう事もありました。

けど泣いている少女を見て、親身になってくれる使用人と出会えたのは幸いでした。今までの積み重ねがあったので、すぐに信じては貰えませんでしたけど。それでも諦めず改善しようと頑張り続けたオティーリエは偉い。

 

少しずつ味方を増やして、街に降りて平民の友達を作ったり。そこそこ充実した日々を過ごせるようにはなったものの……。

王太子妃ルイーゼや彼女のシンパである兄は相変わらずで。多くの貴族は王太子妃の意向に逆らうのを嫌い、近づいてくることはなかった。

 

それは彼女が学園に通う年齢になっても変わらなかった……どころか、年々悪化していくようだった。

ルイーゼの言葉によって第二王子もオティーリエを嫌う側になったし、それどころか取り巻きと一緒にどんどん突っかかってくる始末。

なぜかオティ―リエが第二王子の婚約者に成りたがってると思いこんで、言いがかりを付けてくるんだからたまりませんね。彼らにとってオティ―リエは「悪役令嬢」でなければならず、それ故に彼女の言葉は全て言い訳として受け取られる。

 

実際のところ、オティ―リエには王子の婚約者になりたいなんて欲求はなかったのですけど。あんな態度を見せ続けられて、それでも婚約したいなんて思う輩は少数派でしょう。

率先して婚約者になろうとしてる令嬢からは「騙しやすそうな王子」とか思われてますしね……。

ほとんどの人がルイーゼに味方する中で、彼女自身を見てくれる人もわずかながらに居て。そういう真摯な人がいるからこそ救われます。オティ―リエには是非とも幸せになってほしいものです。