ico_grade6_2h

「あぁ、思い出した。俺は、竜が好きだったんだな」

 

軍事国家ガルンモッサ。

獰猛な竜を従える竜騎士団の力を駆使し、戦乱の大陸において最強を誇った。

しかし近年は平和な時代が続いており……そうすると竜騎士団の維持にかかる費用の負担が問題になってくる。

そこで当代の王が取った対策が、彼が不要と判断した人材を城から追い出す……それも身分が低い者から、というものなんだから最悪です。

そうやってまで工面した資金を王は国のためではなく、自分の欲のために使ってますしね……。

 

主人公のドルトは城に唯一残っていた、竜師――竜の世話や、調教などのもろもろを引き受ける職業――であったが、彼もまた解雇されることになって。

竜師はどうしても負担が大きいので、ドルトは田舎に帰って農業でもするか……とそれを受け入れますが。

その話を聞きつけた彼の才能を知る隣国アルトレオの王女に誘われ、異国で竜師を務めることになります。

 

竜師が少なく、対応しなきゃいけない業務は多い。だからドルトは名づけが108号とかの数字形式で、愛がないとか言われてますが。

効率重視で成果を上げてきたのは確かで、アルトレオの竜師ケイトとは別のやり方でしっかり管理してるのはすごい。

そのうえで自分のやり方とは違うけど、ケイトはケイトで竜に慕われてるだと相手を認められるのもよいですねぇ。

 

ガルンモッサは王だけじゃなく、ほかの騎士達ですらドルトを軽視していて。

彼の指導を聞き流していたことで竜すらも侮り、被害が出たりしてましたが……いったい何をしているのかと。

本当にこれが最強と呼ばれた時代があったんですか、と腐りつつある国をみて悲しくなりますな。というか、強かったこそ戦乱の中で大きな態度取れてたのかもしれませんけど、いまの有様では攻め込まれたら実はあっさり負けるのでは……?
そのほうが竜たちにとっては幸せかもなぁ、なんてことを考えました。