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「一緒に帰ろっ」

彼が一人を好むとしても。

ここでわがままを言わないといつか後悔するだろうと、綾乃は確信していた。

 

モデルの仕事をしていてクラスカーストのトップにいる少女、佐々川綾乃。

そんな彼女がナンパされているのを目撃した主人公の藤村京介は、たまたま彼女を助けることに成功。

陰キャな自分のことなどわからないだろうと思っていたら、しっかり彼女は名前を憶えていて。その上で、朝のお礼と言ってお昼を奢られそうになります。

 

これは彼女がこれまで、そうやって利益を与えることでしか交友関係を築けなかった環境の歪みがあるようで……。

「みんなそうだったから、お礼しないと」とお金を出そうとするの、良くない。他の女子は陰口叩いてるわけですし、モデルとかして目立つと叩きに来るのはどこでも起こるんですね……。

 

奢りの提案は絡まれるのが嫌という思いで藤村は断りますが、その態度が綾乃からすると新鮮で。普通にそれぞれ自分の分を出したうえで、一緒にお昼食べてるのは仲良しで笑った。

さらに帰ろうとした時に綾乃は傘を取られて立ち尽くしていて。折りたたみ傘買ってきて渡すけどタグつけっぱなしですぐにバレる藤村君が微笑ましい。

 

一度外に出た藤村の服は濡れていて、それに気づいた綾乃から一緒に帰ろうと誘われて。

途中でこけて怪我した彼を心配した彼女に、自宅に連れ込まれたりするとか、交流が深まった初日からイベント続きすぎて慌ただしかったですけど。

そうやって積み重ねがなければ藤村君も動かなかったかもしれませんし。一度縁ができた後、普通に一緒に遊んだり綾乃の家で映画みたりして仲良くしてるのとてもよかったですね。

藤村だけじゃなく綾乃の視点もあって、互いの心境が分かるのもこの作品にとても合っていたと思います。
確かに陽キャらしく朗らかでモデル活動もしてる彼女ですけど、友達と遊びに行く楽しさを今になって実感したり、頭撫でて褒めてほしいと言ったり、まだまだ子供としての顔も持っていて。それを藤村の前では存分に見せてくれるのが可愛かった。