「酷い世界だけど、どうせなら、しぶとく生きてやろうぜ!」
主人公の結城浩太は合気道を嗜む高校2年生。
体格は小さく顔つきも中性的なようで、たびたび女子と間違われていたとか。
その日も彼を女子と思った不審者に襲われ、軽くあしらったところだったが……その男は似たことを常習的に行っていた凶悪犯で。
犯人の命を奪いに来た死神が誤って結城の命を刈り取ってしまって、上司に怒られたくないからと、ちょうど異世界転移するところだったグループに紛れ込ませてしまうことにしたとか。
……異世界転移ものの中で、間違って呼ばれたとかはまぁありますが。間違って命奪って責任逃れで片道切符で送り込むとか、かなりついてない寄りなのでは。
この世界では転移者は流人と呼ばれて、多様な特典をもらうことができて。結城も基本的な能力である、適正化による休息時の生命力向上とか、お金や物をしまっておける口座に倉庫などは会得できましたが。
適正というか魔力がなかったために、魔法を扱うことはできなかった。彼を哀れんだ異世界の神様は、本来死ぬはずではなかったから向こうの世界の分と合わせて2回分の命を持たせてくれたり、くらった魔物の攻撃をコピーする能力を与えてくれたりと補填はしてくれました。
結城の持ってる能力はほかにもあって。彼自身は魔法を使えませんが、精霊に頼んで体の洗浄したり、素材換金してもらったりできるのはかなり強いと思いますがね。
……どれもサービスに応じて料金を取っている、課金制なのは困りものですが。
別口で神様対応が入った関係で彼は一緒に転移してきた36人にはおいて行かれてしまって。
1人で危険な森を乗り越えた先にあった町で情報収集をしましたが。どうにも流人には居心地がよくないから、主に森で活動しようと決めて。
他の36人の方は方針の違いとかでバラバラになったり、裏切りが発生したり大変そうですが……彼らを狙った奴隷商が戦力を整えてやってきたりして、この世界だいぶ厳しいな……という感じ。
実は彼らの転移してきた森には、結界に隠されたエルフなどの村があって。
そこに攻め入る手段として流人を使おうと考えるいくつかの国の思惑があり、結城が最初に入ったのもそのために用意された罠の町だったとか。
その国々も口実ができたら攻め込めるように戦力を準備していて、大きな争いに発展したりとか、状況が目まぐるしく変わる作品でしたね……。