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「ご立派な貴女の理想論は、利益を得られなければ実現しないのよ。相手に尽くすのは貴女の勝手だけどそれを国単位で考えるのは愚かですわ」

 

乙女ゲームでよくある「いい子ちゃんなヒロイン」が嫌いだった主人公。

彼女は、ヒロインに毒を吐いてくる悪役令嬢の方に共感していたから、生まれ変わったら悪役令嬢になりたいと思っていた。

そして念願かなってプレイ経験のあるゲームの悪役令嬢アリシア・ウィリアムズに転生した主人公は、彼女の目指す「悪役」になるために奮闘を始めます。

 

それまではわがまま盛りで甘やかしすぎたと思われていた少女が、突如として剣を習いたいと体を鍛えはじめ、姿を消したと思ったら10時間以上図書館にこもって勉強している。

自分を磨くことに余念がなく、不足していると思えば夜に剣を振ることだってした。

その努力は王の耳にまで届いて、試すかのように国の現状についてどう思うか問われたりするイベントなども発生。

 

他にも要所要所で、自身の有能さを(当人はあまり自覚してませんが)アピールしてきた結果、13歳になった時にアリシアはある任務を任されることになります。

ゲームでいうところのヒロインを監視して、彼女が聖女らしいかを確かめる。そのためには「悪役」じみた振る舞いもしなくてはならないだろう、ということでしたが。

悪役令嬢を目指すアリシアがそれ聞いたら断るはずないんだよなぁ……。かなりノリノリで聖女と対峙してましたが……。

いや、確かにこれは甘ったるくて嫌な類の理想論だわ。叶えばどれだけ素晴らしいでしょう。でも、そんな理想がかなわないからこそ、現実的に対処しなくてはならないわけで。

ヒロインに絆されて兄もあちらに着いてるし、そんなお花畑のなにがいいんですかみたいな気分にはなる。

アリシアがどんな状況でも彼女の夢に向かって努力する姿は、筋が通ってて好きでしたが。外部への出力方法等には課題が残るよなぁって読み口。