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「そうやってすぐに謝るのはタルトの悪い癖だ。自分が悪いと決めつけてしまえば、真実を見失うし、相手のためにもならない。人というのは、間違いを正しながら成長する……タルトが何もかも自分が悪いと決めつけたら、俺が成長できないし、俺が成長しないと俺の教えを受けるタルトも成長できない」

 

アラム教の教皇に化けていた魔族を倒したルーグ。

その直前、神の敵として糾弾されていたわけですが……生き残った教団幹部も強かというか、そうしたふるまいは表向きのもので実は教皇の真実に気付いていた幹部が、聖騎士として名高いルーグを呼び寄せたのだ、なんて工作をするっていうんですから神経が太い。

糾弾された側としては面白くないけどアラム教の影響力が大きいのは確かなので、協力しないわけにもいかないというのがまた面倒くさい。

 

ルーグ自身にも国にも利益があればこそ、交渉として成立するわけですけど。

成果を上げているルーグですが、彼の優秀さは現場でこそ光わけで……枢機卿とかの国政に絡む交渉の場に、ローマルング公爵が来てくれたのは助かりますね。

ルーグをして化け物と言わしめるだけのことはあるというか。前世知識というブーストない状態で、ルーグの諜報網に迫ってくるの恐ろしすぎますが。

国益を追求する貴族として利するならばルーグの味方してくれますが、危険なら殺す判断もいとわない存在なので、無条件に手を取り合えるわけでもないですが。

こちらがヘマをしない限りは味方してくれるだろう、くらいは信用できる感じが良い。

 

いろんな思惑の結果、聖人認定を受けることになったルーグ。

それを祝したお祭りまで催されることになったり、物語としてまとめて本を刊行しまくったり、アラム教の本気もすさまじいものがありましたが。

そうやって工作渦巻く中でも、チームを大事にしてマーハとデートしたり、ディアやタルトとレストランに行ったりして、仲良しなのはいいですね。

 

一方で問題なのはノイシュ。魔族側についた彼は、並大抵の監視をつけたところで撒かれてしまうので動向が読めずにいた。

聖人認定の祭りには、クラスメイトとしてやってきてましたが……そこで妙な吹っ切れ方をしているのをルーグが心配して。ぶっちゃけると、口絵でもう堕ちるの知ってるからいつ爆発するのかが怖かったですが……。

魔族の討伐が進み状況が変わったからと言って蛇魔族ミーナもノイシュも、思ったよりも派手に行動を開始したなぁという印象。

ノイシュは勇者のサポートという重要な任務をしていて成果を上げていたのに、上を見すぎて失墜するんですから、空しいですね……。

蛇魔族ミーナから入れ知恵された情報に関しては気になるところではありますが、それでも友を殺してもなお暗殺貴族としての在り方を貫いたルーグを応援したいところ。
……それはそれとして勇者エポナ、経験積んでないのに防戦重視とはいえミーナに食らいついてるの怖くないですか?