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「俺がユエを、ユエが俺を守る。それで俺達は最強だ。全部薙ぎ倒して、世界を越えよう」

 

クラスのアイドル的美少女に気にかけられていることで、他のクラスメイトから良く思われていない南雲ハジメ。

「趣味の合間に人生」がモットーである彼は、それ以外を切り捨てていて学業や運動など平凡な存在だった。

クラスメイトの質が良くないのもまぁありますが、ハジメ自身も状況を改善する意欲には欠けて、不健全な状態が続いていた模様。

 

そんな折に、クラスで異世界に召喚されるなんてイベントが発生して。

天職にスキル、ステータスが見られる世界で、クラスメイトが高いスペックやスキルを持つ戦闘職としての才能を見出された一方で、ハジメはステータスも低い錬成士という生産寄りの天職しか得られなかった。

戦闘訓練をしても伸びしろは少なく、ハジメは図書館で知識を増やすなどして自分にできる方法で自分を磨いていたわけですけど。

そんなことしてる暇があるならもっと戦闘訓練に打ち込めよ、と圧をかけてくる学友たちはどうかと思うな……。

 

騎士が付いた状態でダンジョンに挑んだりもしますが……その際についてる騎士も、弱らせた魔物をわざとハジメの方にけしかけてきたりするし。

クラスメイト達も欲に駆られて罠を踏んで、危険な魔獣が出てきたときに止む無く足止めをすることになったハジメに魔法を打ち込んで殺そうとするやつまで紛れ込んでるし。1巻から人の業の深さを実感しますね……。

 

魔法をくらったハジメは、ダンジョンの下層に叩き落されたもののかろうじて生き延びていて。

魔物に左腕持っていかれたり、食料がないため人にとって猛毒の魔物の肉を食らい、運良く見つけた神水という治療アイテムだよりで乗り切ったり。

地獄のような苦しみを味わったことで、平凡な少年だった南雲ハジメは敵に容赦しない苛烈な存在に進化してしまったわけですけど。

彼が踏み外しきる前に、ダンジョンに封印されていた少女ユエと出会えたのは良かった。ガンガン来るユエにたじたじではありましたけど、傷心の彼にはそれくらいでないとね。
結構いいコンビって感じがしてハジメとユエの2人は好きです。