「私は出会いを大切にしたいのです。それは一族の家訓でもあります」
(略)
「そうだな。出会いは大事にしなくてはいかん」
序章がマンフリー視点から見たレカンの話なんですが。
従姉妹のノーマを密かに気にかけていた関係もあって、色々と噂を聞いていたとか。まぁ、後にノーマとエダから直接話を聞いたりもして、冒険者としても実力があるから他家に渡してはならないと判断したとか。
レカンに偏屈な所があるのも理解して、家臣にも良く言いつけて付き合い続けてくれていたという裏事情が分かるのいいですね。
終わりが「レカンは扱いにくい人間ではない、とこの時は思っていた」と結ばれるのが、なんかレカンがすみません……って気分になってきますけど。
レカンなりの矜持があって親しい人を尊重もするけど、自由人な部分もあるからな……。
魔法都市のダンジョン攻略を続けるレカンは、相変わらず彼らしく過ごしていますが。
ツボルト迷宮の制覇者が都市公然の秘密について調べたり、他の探索者と合同で攻略を進めたりしていて、領主は割と気が気じゃなかったのではないかな……。
実際、迷宮攻略を諦めていなった導師に声をかけられて最深部を目指すことになるわけですし。
都市側もそれを阻止しようとはしてましたが、強行突破してくるんだからすさまじい。
里の代表として外に出てきて、レカン達に挨拶しに来ていたアリオスまで巻き込まれてたのにはちょっと笑ってしまった。
それぞれのスペックが高いのと、レカンが薬師としてもサポートできるおかげで順調に進んで。誰一人として欠けずに攻略を果たしたのは何より。
さらに予期せず参加することとなったアリオスが、攻略を終えてから一つのアイデアとして提示したものがわりと正解に近そうなんですよねぇ。そう考えると、彼がいたのもまた運命的だったと言えます。
それからまた冒険者稼業に戻ったレカンですが、そこで「始原の恩寵品」を持つ青年と出会って。その価値を知らなかった青年の困りごとを解消する対価として、それを入手することに成功。
ノーマとの婚約には納得してるけど、自分が関係者としての意識が薄いのはまぁ彼らしいと言えますか。名の知れた冒険者が他の貴族の領地で起きた騒動に首を突っ込む形になってましたが、結果的には最上の利益を獲得してたのでヨシ。
合間合間で、ユフに嫁いだルビアナフェル姫の様子が描かれていましたが……どうにも騒がしい状況に陥っているようです。
WEB読んでるので展開は知ってるんですが、こうやって何が起きたのか補完されるのは嬉しいですね。