「他の連中もそうだ。どいつもこいつも、思う通りになんてまるでなりゃあしない厄介な奴等ばっかりだ。だが、だからこそ、俺の理想通りでないからこそ、今の俺がある。俺を繋ぎ止め、俺たらしめてくれるのはあいつらだ。たかが理想如きが、現実のあいつらに、取って代われると思うなよ!!」
帝国への寄り道も終え、ついに大迷宮ハルツィナ樹海へ挑むハジメ達。
最低でも4つの大迷宮を攻略していないと挑戦する権利すらなく、解放者たちは神代魔法を託す相手に試練を課すという性質を考えれば、そりゃ厄介な状況になるのはわかりきっていたことですが。
初手、踏み込んだ瞬間に分断してきて、仲間に化けた魔物を混ぜ込んできた上で本物の仲間の方を魔物の姿に変えて意思疎通を難しくしたり。
理想的な夢のような世界に閉じ込めてきたかと思えば、快楽に溺れるような仕掛けにどう抗うのか。感情が反転するフィールドでどのように戦うのか。
そういった「絆」だったり「意思」を試すような仕掛けが多く仕掛けられたダンジョンとなっていました。
既にいくつも制覇しているハジメたちは、影響を受けつつも問題なく超えてくれてよかった。
まぁ感情を刺激する仕掛けが多くて、ふざけんな! ってなってる場面もありましたけど。理想に溺れず現実を大事に出来るのはヨシ。
感情反転フィールドで、ティオがいつもの変態ではなく理性的なお姉さんとしての顔を見せてきて、「えぇ……誰……」ってなった。
変態モード苦手なので冷静であってもらいたいけど、これまでずっと変態芸で売ってきたティオにやられると困惑するしかないのか……悲しいね。
ハジメに同行を許された勇者君たちは、まぁ不甲斐なかったですね……。
この期に及んでなお覚悟が決まっていないのは不安材料が多いというか。なんとか雫が魔法習得できるだけの戦果を挙げてくれたのだけが救いか。
ユエだけが特別だと決めていたハジメが、シアとの関係を進めたのもまた大きな出来事でしたが。魔人側もおとなしくしてるハズなくて、裏切りの勇者恵里と協力して新しい兵隊生み出してるのが面倒だなぁ……。