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「あんたの夫、いい男だよ。大事にしてやりな!」

「も――もちろん!!」

 

主人公のイヴァンはオクルス湖のほとりで養蜂しているイェゼロ家の十四番目の子だった。

しかし他の男衆はまともに働かず、彼ばかりがこき使われる日々。教育が当然ではない世界で、文字を読めて記録を残せて病気への対策が出来たり、知識がしっかりしているイヴァンはかなり貴重な人材なんですが……。

兄たちの酒代にするために、彼への給与を横流ししていたとか問題しかないんだよなぁ……。

 

イヴァン、自身への好意に無頓着だったり給料もらってないけど気にしてなかったり、こうあちこち抜けてるのが心配でならない。

容姿は整ってる健康な男児で、根も善良で付き合えば相手を尊重できる、優良物件ではあるんですけど。

序盤のイヴァンは給料横流しの事実とかにも気づかず、養蜂業に従事していたわけですけど。娘の婿を探しにやってきたマクシミリニャンという男性と縁が出来て。

 

双子の兄サシャと彼の嫁ロマナ、それにイヴァンの3人の関係は複雑で……問題が表面化したところをマクシミリニャンに救われた。

最初に婿取りの話を聞いたときは断ったけど、騒動を受けて家を出る決意をしたイヴァンがマクシミリニャンの娘のアニャと交流し、結婚を決意する話。

アニャも事情を抱えていて、結婚するつもりはなかったけれど父としては心配だったマクシミリニャンが手を打った形だったようで。その誠実さでしっかりアニャの心をつかんだイヴァンがえらい。

 

いや本当に、イヴァンもアニャも人が良くてお互いを大切にしてるので、微笑ましいというか心が穏やかになるんですよねぇ。

イヴァンの実家問題だとかアニャにちょっかいを出してくる勘違い幼馴染とか、2人を取り巻く問題は根が深く頭痛い部分もありますけど。イヴァンが出ていった後の農園とか、結構悲惨ですしね……。

基本的にはイヴァンとアニャの2人の関係を楽しむ幸せな物語です。