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「私はこの世界とか加護とか、レッドの悩みの答えはわからないけど……レッドは間違ってないって教えることはできるよ」

(略)

「レッドがいるから私は幸せ。だからレッドは間違っていない」

 

表紙のケモ耳リット、ちゃんと作中に登場して笑っちゃった。

いや表紙とかって目を引くデザインにしてて明確にどこかのシーンを描いてるわけじゃないことも多いというか。ものによってはヒロイン1人ピックアップしてバーンって感じじゃないですか。

 

変身系と呼ばれる魔法があって、パワーという身体能力だけを得るものと、自分の姿形を変貌させるもの。完全に姿が変わる、獣人のような二足歩行になる、ケモ耳みたいに一部特性だけが現れるという段階があるようですが。

それを使って知覚能力を向上させて索敵してる、という実践的な魔法のようです。……それはそれとして後にいつもと違う姿でのイチャイチャもしてましたが。

 

今回はミストーム師の過去が明らかになる話。

ゾルタンの英雄にして前市長である彼女は、レッド達と同じように過去に秘密をもつ人であり……ゾルタンの気質ゆえに、詮索されずに来た。

しかし、そんな彼女の過去が追ってきて、街に圧力をかけることにつながるんだから困りものです。

相手が腕利きの暗殺者を雇って動かしてきたりして、油断ならない状況ではありましたが。

……ほぼ引退状態のレッド&リットに加えて、現役暗殺者なティセと冒険者として活躍中の勇者ルーティが居る街にちょっかい出すとか命知らずな……。

 

暗殺者ギルドというのが、「暗殺者の加護」を得てしまい衝動によって人を殺さないといけない人々が少しでも生きやすくするための組織で、依頼を断ることもあるとかいう内情をティセが語っていて、人々が加護と長く付き合ってくなかで生まれた組織って感じがして、結構好きな設定でしたね。

そういう理念だからこそ、名前を騙る存在やギルドを抜けてはぐれアサシンとして活動する輩はしっかり始末しないといけない、というルールもあるようですが。

暗殺者としての自分を持ったままのティセに、それも含めた上で友人だろうと語るレッドは器が大きい。

 

敵の打ってきた手をとりあえず跳ね返すことはできたけど、未だ諦めてはくれないようですし。どうなりますかねぇ。

あとがき曰く、「勇者が本来解決すべきだった問題」として、もしかしたらこうやって解決されたかもしれない可能性が簡単に描かれていましたが。

そうならなかった世界だからこそ、先が予測できなくて面白いんですよね。続きが楽しみです。