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「それにお兄ちゃんはいつだって世界一かっこいいよ。私はお兄ちゃんがいてくれたからずっと幸せだった」

 

スピンオフとして描かれた、ギデオンとルーティの幼少期のエピソード。

勇者の加護を持って生まれ恐怖を感じないルーティは、両親からしても他の村の子どもたちからしても不気味だったようで。

石を投げられていたルーティをギデオンが庇い、主犯格に一撃お見舞いして。導き手の加護持ちで基礎レベル高いギデオンの一撃は、痛かっただろうなぁ。

子供を守るのではなく謝りに行かせようとするあたり、子供の扱いに困っている感じがあるギデオンの両親よ……。

結局ギデオンは敢えて実力を示して村に有益であるとアピールすることで押さえつけたみたいですけど。

 

そうやってある程度ルーティを守れる環境を作った後、彼女をもっと守っていくために騎士になろうと道を決めて。

魔王軍の活動が活発になり故郷の村が狙われた折に、なんとか間に合ったのだからギデオンの積み重ねにも意味があったのでしょう。

村で力を示したけれど、しかし村を出ていったギデオンのことを良く思わない高位の加護持ちのゴールドと険悪になったりもしましたが。

 

騎士でありながら拠点の井戸掘りとかの重労働に率先して参加することで、少しずつ味方を増やしていったのはヨシ。

この騒動の中で両親との関係も多少はマシになったようですしね。

アレスとは違う『賢者』の加護持ちとの出会いもありましたが、死が近い彼女が言っていたとおり「あと1年」あれば、状況もまた変わったのかもしれないなぁ……と思うくらいには良い人でした。惜しい。