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「返してもらうぞ。その女は、血の一滴、髪一筋、魂の一片まで、全て俺のものだ」

 

最終決戦の終わりと、本編の区切りとなるエピソードまでを描く13巻。

実質完結巻、みたいな雰囲気はあります。もっともWEBではその後を描くアフターストーリーも充実していますし、あとがきでも触れられていたので、後日譚の刊行も期待したいところではあります。

 

12巻のエピローグでついに対峙したハジメと、ユエの身体を奪ったエヒト神。

神を自称しかつての解放者を蹴散らしただけのことはある、というべきか。ハジメが多くの対策をして攻撃をしてもそれを超え、逆にハジメを焦燥させる攻撃を放ってきたりするので油断なりません。

もっともハジメに言わせれば力は脅威でも、意思が伴ってないから怖くないとのことで。

実際「遊んでやる」って上から目線だった相手の予想を超えて、しっかりユエを奪還したのは格好良かった。

 

その後ユエと協力してトドメを刺したところまでは良かったですが、2人ともズタボロで。

窮地に駆けつけたのがウザい振る舞いのミレディだっていうんだから、空気があそこで一回壊れたよな……。まぁ、その後しっかり解放者のリーダーらしい姿も見せてくれたんですけどね。普段のウザさが嫌すぎるんだよな……。

 

ハジメ作成のアーティファクトブーストで、地上に残った側の人々も奮闘してくれたのは良かったですね。

流石に規模の大きい戦いだけあって、犠牲も出ましたが香織が残っていたこともあって生きながらえた人も多い模様。……でも壊滅的被害が出ていてもおかしくなかったと言いつつ3割損壊してたら実質壊滅なのでは……? とか野暮なことを思ったりもしましたが。

 

主人公のハジメがユエを取り戻し、ヒロインたちとの関係も良好で、そして念願の帰還の術も作り直し生還するんですから、ハッピーエンドと言っても良いでしょう。

問題山積ではあるでしょうけど、能力も経験も残るわけですしね。実際巻末に登場人物紹介として、それぞれの未来について情報が一部描かれてましたが、生じる問題のいくつかをハジメ作成のアーティファクトで乗り切ってるみたいですしね……。