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「同意するぞ、ポルクスではない何者かよ。確かに余計な輩は舞台から降ろさねばならん。――其方が失せよ」

 

魔神族が生き残る可能性を求め、七曜のテラは妖精姫ポルクスに接触。

彼女の特殊能力に翻弄されつつも、当人の戦闘能力は低いという点をついて交渉を成立させたのはお見事。

しかしまぁ、そのタイミングでポルクスに女神が干渉してきて……自立した存在ながら、女神に近しい彼女を乗っ取って利用しようとたくらんだ模様。

 

そのころルファスは勇者一行と共に、武の都レーギャルンを訪れて。

……勇者パーティーどんどん色物感じ強くなっていくの、笑うしかないんだよなぁ……。

勇者君自身は結構まっとうに育ってはいますけど。レーギャルンで特殊なアーティファクト持ちに優位を取られたり、実力的にはまだまだ青い。

でも、十二星もだいぶそろってきてるし、それと合わせるように女神側の手札も少しずつ削られて行ってるわけで。

勇者君が今から最終決戦に見合う実力をつける余裕はないでしょうけど。悩み続けた彼がこの世界にどんな影響を与えるのか、その結末を見届けたい。

 

ポルクスに憑依した女神は彼女の力を使って、過去に倒された竜王ラードゥンなどの戦力を召喚し、ルファス達を攻めるわけですが。

ベネトナシュとぶつかってかつての力、その一端を思い出したルファス相手にぶつけるにしては物足りない軍勢でしたね……。

過去、仲間であった七英雄に対しては攻撃を躊躇ってしまう部分があって、そこを突かれると危なかったですけど。そこで頼れる応援が駆けつけてくれるんだから、ルファスの歩みが間違ってなかったと思えて良い。

 

急に街の傍で神話級の決戦が開始されたレーギャルンの住民の方々は、さぞ胃を痛めたことでしょうけど……。これまで何度かルファス一行の力を見てきたガンツたちは、自分たちでコーヒーを入れて飲む余裕があるの面白かったですね。

騒いだところでどうしようもない、というあきらめの極致みたいな態度ではありましたけど。それを受け入れられる、というのも一種の強さですよ。えぇ。

 

無事にポルクスを取り戻したところ彼女かなり常識人で、割と抜けてるルファス相手に「今までなにしてたんですかー!」ってツッコミ入れてくれるので助かる。

同様に指摘を受けたリーブラが「高山よりも深く反省しております」とか返すあたりも、十二星の親しみを感じられてよい。

 

巻末SSは「王子は世間を知る」。

メラクが王になるための試練として、一年の旅に出た先でルファス一行に出会う話。

試練には緩い縛りしかかけられておらず、手を抜こうと思えばできる。けれど、それをしてしまえば侮られて発言力が下がる。はたしてどうしたものか、と悩んでいたようですが。悩みすぎても良くないんですよねぇ……。

ルファス達と出会って常識を破壊されたのが、果たして良かったのか悪かったのか。……後悔は、してなさそうですけどね。

 

もう一編は「ルファス一行の金銭事情」。ディーナが心を砕いて、今の時代でも浮かない性能の武器とかをルファスに作ってもらって、売りさばいていたとか。

でもたまに危険物混ざるあたり、ルファスは本当にさぁ……。