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「わかっている。躊躇などせぬさ……ああ、私はもう決めている。――女神を殴り倒して、其方を救う」

(略)

「約束だったからな。其方が女神の不興を買ったら私が全力で守ってやる、と」

 

レオンの事でかい猫くらいに認識してるルファスだったり、女神のアバターであるディーナが本体のことわりとポンコツなの気にしてたりするの、細かいけど面白いポイントでしたね。

 

力と記憶を取り戻したルファスが帰還したことで、女神への挑戦権を賭けて、兼ねてより約束していた魔神王とルファスの決戦が開始。

龍相手でも圧倒的有利を取れるルファス、規格外すぎるな……。

女神の駒として、これまで何度も自身に挑む勇者たちを蹴散らすことになってきた魔神王が、今回は挑む側になるのも良い構図ですよね。

 

 

そして、ついに女神が龍を本格的に動かしはじめることになって。

揃った十二星やポルクスの招く英雄たちなど、戦力が整ったルファス陣営ならチーム分けしても挑めるというのはありがたい。

まぁルファスみたいな規格外を抜きにすれば龍は強者であり、圧される場面もありましたが……こっち側も結構な人材揃ってますから、割と安心してみてられました。

 

人類を守る箱舟のようなものを準備してあり、保護するまではルファスが行うことを決めましたが、混乱は避けられない。

その説得を、この世界に来てから無益な戦いに挑まなかった勇者君に頼む、というのは良かったですね。弱い彼にも意味があったというか。

ルファスに言わせれば彼女は力によって覇王になったことで、弱者に寄り添えなくなってしまったから勇者君だからこそ良い、ということでしたけど。

 

ポルクスが女神の駒になった時も怪獣大決戦じゃん、って思ったものですが……。

ただ女神も他にも手を打っていて……忠臣のようにふるまっていたリーブラが、実は女神の配下だったことを明らかにして。

素材が女神の天秤だったことや、それを加工したミザールがその時にはもう女神の影響を受けていたこともあって、ルファスが200年後の復活を企画したように、女神もまた埋伏の毒を仕込んでいたというのは周到で良い。

……まぁ、ゴーレムだというのに誰の命も受けずにミザールの最期を看取りに来たり、リーブラもまた一貫した存在というわけでもなくて。

敵に回ったリーブラを止めようとするのが、ガミガミやりあってたスコルピウスだって言うのが面白い構図ですね。

スコルピウス、龍への戦力分散へは付き合わず単独女神に挑むつもりだったルファスにへばりついてきたわけですが、いい仕事しましたね。

 

巻末SSは「吸血姫の憂鬱」。

文字通りベネトナシュ視点ですが……レベル上限を突破できる存在である彼女もまた、異質な存在であることに間違いはなくて。

幼少期から圧倒的な強さを持っていたために、他の家族たちの魔力や存在感が薄く感じられてしかたがなかった。そしてその力は時の王ですら「ベネトナシュこそが王だ」と、心から認めるほかないもので……。

彼女は肉親の情なども得られず、王になる他なかった。強者の孤独と虚しさを味わっていた彼女の前に、ルファスみたいな規格外が現れたのならそりゃ本編での執着も納得。

もう一編は「空☆気☆王」。終盤の加入だったこともあり、存在感がさっぱりない『魚』のピスケスことエロスの話。えーっと……どんな話でしたっけ? というのは半分くらい冗談として。

アホだった彼がルファス一行に初めて会ったとき、既に戦力は整っていて一蹴されて。昔から空気だったのが明らかになって、ちょっとだけ哀れみを覚えたよ……。