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「――まずは貴女が救われるべきだ! 女神アロヴィナス!」

 

完結巻。

ルファスに龍の対処を任された十二星たちや、魔神王たちは見事にその役割を果たして。

ついに女神本体と対峙することになったルファスでしたが……彼女は地球のあちこちの神話をモチーフにした節操のない攻撃を繰り出してきて。

ほとんどの事を再現できる能力を持っている女神でしたが、ルファスに言わせれば「猿真似」であり、未知を生み出すことができない存在である、と。

彼女が創世神ではないということすら見切って、全力で叩きのめしに行ったルファスはさすがでしたね。

 

最終局面で勇者を唆しに行った女神も女神ですけど。唆されても、弱さを認めて力を求めない選択をできた勇者君は偉い。

一方のルファスはしっかり対策を取っていたわけですが……女神が「勇者レベル1000を作っちゃいます!」って流し込んだ経験値を横取りして、この期に及んで自分のスペック向上させてるとか、なにしてるんですか。むしろまだ上がる余地あったんですか貴女。

 

その直前で、普段はふざけたお爺ちゃんRPしていた木龍が、ポルクスが独立したアバターとなることを寿いでいった良いシーンやってるんだから、温度差で風邪引きそう。

……いやまぁ、どこぞの吸血姫さんも担当した火龍の経験値独占してレベルアップしてるし、世界のバグすぎるなこの2人は本当にもう。

インフレ極まった世界で、ド派手に暴れまわってハッピーエンドつかみ取ったルファスはお見事。

 

だいたい半分くらいで本編が終わり、後は書下ろし中編「野生のEXボスが現れた!」とSS「属性会議」が収録。

属性会議は眠り続けていた龍たちが、精神世界で繋がりこの世界のことについて語り合っていた時の一幕。まぁ属性テキトーすぎぃって言いあってるギャグエピソードなんですが。

 

そして、後日譚とでもいうべき「野生のEXボスが現れた!」は、地球に帰った勇者君といい感じのウィルゴがメインの話。

本編中でルファス自身も足を運んでましたし、勇者君送り返してもいるわけですが、何事もなかったかのように世界間移動を可能にするアイテム作ってウィルゴに渡しているあたり、ルファスの制作技術高すぎるし、配下に甘いの相変わらずだなぁって安心感がある。

転移に使ってる力自体はディーナのものみたいですけども。

 

女神アロヴィナスをめぐる騒動が決着した後で、彼女が試作した後放棄したEXボスが暴れる話、でもあるんですが。どうせ最後には最終決戦でパワーアップしたルファスに蹴散らされるのに粋がっちゃっていっそ可哀想だった感。

まぁ相手の事慮れてなかったから破滅は必死でしたけどね。合掌。