「ガイン、クフォ、ルルティア、俺はあなた方に、あなた方の好意に、本当に感謝します」
ブラック企業に勤めていたサラリーマンが死に、異世界の神様たちに魂を拾い上げられて転生することになる話。
神様たちが作った器に魂を移すだけだから、転移ともいえるなぁとか言ってる当たり神様たちは真面目か。
異世界には魔法が存在し魔力が必要になるが、需要に供給が追い付いていないとか。
そこで魔力はあるが使用していない地球から資源をもらうことにしてるそうですが……異世界への穴をあけるために、異世界から来た魂が必要になるとかで。
だから異世界に送られた時点で神様たちの目的は達成されるので、あとは自由に生きていいという制限の緩さで。
突如人里に出現したら怪しまれるから、と森の奥地に出現することになった主人公の竜馬は、そこで与えられた能力を駆使して3年間気ままに暮らしてるんだから割と器が大きいというか。
使役したスライムの研究を楽しみ、新種を発見して、洞窟を改造して結構いい暮らししてたようですが。ある時近くで負傷した人々を助けたことで、彼の世界が開かれていくことになります。
最初に出会ったのが良心的な貴族で、竜馬に良い影響を与えてくれてるのはいいんですが。
実は竜馬、地球の神に試練として多くの苦難を与えられていたとかで……特別書き下ろしも前世のエピソードですし、後々悪影響与えてきたりしないだろうか、とちょっと心配。
異世界での竜馬の生活に関しては好みの描かれ方してますが、たまに挟まる前世のブラックさはうーん、ってなる。
一方異世界側の神様たちのアフターケアは良かったというか。
平民の孤児ということになるけど、身分差に寛容な国を選んでくれてるし。竜馬の存在も世界的に珍しいけど、いなくはない程度の「設定」作ってくれてるみたいですし。
既に何回もやってきたことだからか、手慣れてる感じがありますね。
スライム研究にいそしんでる竜馬が、かつての転生者の子孫であり従魔術に詳しい貴族との縁が出来たのは良かったですねー。
竜馬の知識や能力を認めてくれるし、境遇には同情してくれるしで、かなり良好な関係を築けてますし。
連れていかれた街で会う人々も基本的にはいい人ながら、テイマーギルドは従魔の戦闘能力偏重の思考が強まっていて、スライムばっかり従えている竜馬は認められにくいとか。
訪れた街が不正してる輩によって衛生面の問題が生じつつあったりと、万事うまくいってるわけではないですが。味方も多くて、対応できることには迅速に動いてくれるのも安心できる要素でしたね。