「僕には、世界は救えなそうだよ」
(略)
「きっと僕にできるのは、せいぜい家に帰ることくらいじゃないかな。もし大切な人が居たら、その人と一緒に。家に帰るためなら頑張れそうだよ」
本編10巻の後に発売された1巻~5巻の時期に出た特典SSをまとめた短編集。書下ろし中編の「幻の冒険と奇蹟の邂逅」も収録。
一応この中編も「オーバーラップ6周年フェア」の特典「原因不明の白昼夢」を元ネタにしてるらしいですけど、3千字のSSが4万字まで膨れたらほぼ書き下ろしだよ……。
特典SSということもあってお手軽に楽しめるエピソードが多かったですねー。
ハジメと親しくなりたいがあまり、ハジメの父の会社が販売してるゲームを買いに行った香織と雫の話とか。……年齢制限版を買おうとするのは、気が逸りすぎだよ……。雫の言う通り、話題の取っ掛かりにするにはチャレンジャーすぎる。
息子が行方不明になったことで心配するハジメ両親のエピソードもあったりするので、話によっては温度差があります。
一方でロマン追及してロケットパンチとかドリルとか作るハジメを、冷ややかに見るユエとか。ユエとハジメがイチャイチャしてるエピソードとかもあってハチャメチャですがそれもこの作品らしい味わいではありますね。
道中で実際にあっただろうなぁと思える「寄り道編」が1章で、パロディものの「魔法学園編」「童話編」が2章・3章を飾ります。
教師Verユエのカラーイラストがしっかり用意されてる当たり、分かってて良い。
書下ろしの「幻の冒険と奇蹟の邂逅」はあらすじで割と触れられてるんですよねー。
海底遺跡を攻略し、迫るミュウとの別れに悩み、思い出作りをしたら不思議な空間に迷い込んで……。
ミュウが解放者たちと邂逅して、ミレディにパパ情報の「世界一うざい人!」と言ってたあたりは笑ってしまった。
そのあと被害者の会のハジメたちまで遭遇して、初手攻撃してる当たり相当頭に来てたんだな……って。