「違う。君は最初から間違ってない。ネガは盗まれたんだよ」
再読。前作『リリアとトレイズ』でたまに登場していた、リリアの友人メグをメインに据えたシリーズ。
リリトレの6巻でメグのダンスパートナーに収まっていたセロン君。この作品の序章もそのダンスパーティーの様子が描かれていましたが……。
リリトレ1巻の時期では、まだ友人関係にもなれていなかったようです。
メグとリリアが友人となるきっかけの授業をセロンも履修していて、その時に彼はメグに一目惚れしたとか。
見惚れていたせいでリリアに出遅れて、それからも接触を試みようとはしていたものの、あと一歩踏み出せずにいたとか。
下手するとトレイズ以上のヘタレなのでは、セロン君。……いやトレイズは幼少期からの積み重ねがあるから、どっこいどっこいか……?
そんな彼の恋路を応援してくれる、ラリーという快活な友人もいたのですが。
クラスが違ったり同じ授業を取っていなかったり、どうにもタイミングが悪くてフォローもできなかった。
そんなラリーは、何もできずに夏休みに入ってしまったので気晴らしにでも、とセロンを演劇部の夏合宿の手伝いに誘ってくれて。
いざ足を運んでみたら、他の部から応援としてやってきたメグと出会えたので、運が悪いわけではなさそうですけども。
そして同じく外部からの応援組であるオケ部のナタリアや、セロンの友人ニックを交えて仲良くなっていった……で終わればよかったんですけどね。
嘘八百をセンセーショナルに掻き立てる記事を書いてる新聞部のジェニーが、学園内部で不審者の写真を激写したことで、その謎に向き合うことになっていくわけです。
一つの大陸シリーズの中では屈指の平和な日常を描いていましたが、シリアスからは逃れられない……!