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「俺にも、あなたをもう少し堪能させてください」

「た、堪能って何ですか。私が堪能するならともかく、あなたがする要素がどこに」

「好いた人の顔は眺めたいものなんでしょう。あなたもよく言ってるじゃないですか」

 

好きなゲームの世界の悪役令嬢エルディアに転生した主人公。

悲劇を回避しようとしても強制的に発生するイベントなどもあり、そんな中で彼女はできる範囲で拾い上げられるものを拾い、ストーリーの本筋を外さない程度に悪役として追放されたわけですが。

 

ちゃんと次の活動が滞りなくできるように準備してる当たりが抜かりないですよね。まぁ、1巻では予期せぬタイミング従者になったアルバートのイベントが進行して戸惑ったりもしてたんですが。

彼の想いを聞いて、両想いだと自覚したけど推しとしての自任が強すぎて、まだ関係について問われたときに「推しとヲタク!」って返しちゃうの、もうちょっと頑張りましょう感がある。

 

シナリオ展開を知っているエルディアは、故郷の王が実施している危険な実験についても知っていたわけですが……強制イベントの存在を知ってるのもあってか、勇者君達に解決を任せるスタンスで。

それはそれとして推しの活動は知りたいから、接点のある商人と交流して情報を仕入れたり。その手がかりを得るイベントを眺めるために、映像機器を用意したりと周到です。

しばらくは観察で済むはずだったのが、なぜかイベントとは違う展開になってしまって。

シナリオを外れる行動をとったのがNPCだったこともあり、真意を探る展開から始まったわけですが……。

 

いざそのNPCと対面してみたら、エルディアに対して「プレイヤー」と発言して。

さらにイベントでの反応以外にも、本来繋がらないはずのキャラクターと行動を共にしているなどの変化が起きていて。けれど、エルディアの従者であるアルバート達に反応を示さなかったから、彼自身がプレイヤーではない。

どうにも混乱する状況の中で、オタクとしての自分を曲げず突進していくエルディアはさすがすぎましたね……。

とは言えこの一件で明らかになったエルディア以外の「プレイヤーを名乗る人物」の存在は気がかりですなー。