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「(前略)理想を語り人を大切にする甘さ。感情を抜きにして、損得を見極めて、必要なら何かを切り捨てる厳しさ。その両方を持ち合わせてなきゃ一流の商人にはなれないんだ。

アンタはその両方を持ち合わせちゃいるみたいだけど、使い分けが下手糞だねぇ……不器用というかなんというか……。

なんにせよ、今日の事はよく覚えておくといい。今アンタの周りにいるやつらをよく見な。そしてこれまで自分が積み重ねてきたこと、そして何より、自分自身を信じてやりな」

 

ギムルの街の治安が悪化する中で、「ギムル中規模店舗連合」を名乗る集まりに誘われた竜馬。

しかしそこに乗り込んでみたら、主催者が不安をあおるような言動をする輩で……今まさにひっ迫してる状況なのに、そこで出される解決策は即効性が薄かった。

そのために竜馬は「揃いも揃って馬鹿ばかり」と挑発して、徹底的に敵対するスタンスを示します。

 

最悪のケースとして、悪意は自分に集めて店のスタッフを守ろうとしていたとか。

……まぁもちろんそうはならないように、事前に手をまわしていたのは偉いんですけど。

もうちょっと周りを頼ってもいいんですよ? とは言いたい。

いやちゃんと公爵家に一方を入れて、色々許可を取ったりして。相手方に利益のある提案もした結果、充実した応援を派遣してもらえたりしてるので、頼ってるんですけど……あれか、もうちょっと相談して、って言えばいいのか。

まぁ今回の一件で指摘を受けて成長したので、繰り返さなければ良いか。

 

応援が派遣されてきたことで、彼の仕事はメイドさん達に持っていかれて3日の強制休暇を与えられてましたが。

そうやって空いた時間をスライムの研究に充てるあたりが、竜馬ですよねぇ……。ただスライムの好む餌を与えて進化させるだけじゃなくて、スライムの体は魔力で構成されているという仮説から、新しい技法を編み出したりしてるのがすごい。

研究大好きですよね、彼。追加の応援としてやってきた医師たちが、彼の知識を教わりつつ、自分なりの考えも持っていて。似た人材と話し合ってる時とか楽しそうですしね。

 

巻末の書下ろしでそのまま「地球の神様事情」というのが描かれて、竜馬に悪戯していた神様は古く力を持っている存在であることだとか、特別な名前を持たない下っ端の神も存在するとかも描かれてました。

このあたりの情報を描写する意味もあったのが、現代篇の書下ろしパート。不干渉の契約はあるらしいけど、例外もあったりして。それであちこちに被害出てても信者は無事だから、とことなかれ主義になってるのはどうなんだ、と思わなくはない。