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「ガキの時分は無暗と自信満々なくらいでちょうどいいけどな、大尉。さすがにそりゃ傲慢ってもんだ。お前さんが守り切れなかった分は、つまりお前さんのせいじゃねえってことなんだよ。――エステルについてもこの前の作戦でも、これまでもこれからもな」

 

共和国民の避難作戦では避けられぬ犠牲が生じて……。

それがレーナやフレデリカの心に刺さってしまうのはそれはもう仕方のないことでしょう。心配されたレーナは療養期間が設けられることになって、まだそれくらいの余裕がギアーデ連邦にあることは喜ばしいですけど。

 

……前線を押し込まれてしまっている、戦況悪化の中ではどうしても国民の不満は募っていくわけで。

そもそも連邦自体が帝国がレギオンという問題を生み出したせいで誕生した、若い国家なわけですよね。それまでは貴族と、その庇護下にある民という構造だったのが、自由を与えられて戸惑う子がいるのもまぁ分かる。

ただ戦時中というのもあって目まぐるしく環境が変化していく中で、盲目の羊のままで居続けることはできないんですよね。今も戦場にいるエイティシックスたちが、分からないままでいるのを良しとせず、学ぼうとする姿勢を見せていることからも明らかです。

 

それでもなお責任を他者に押し付けようとするのであれば。それは自らに跳ね返ってくるわけです。

今回はまた人類の愚かさを見せつけられるようなエピソードでしたねぇ。元農民で、連邦となった時に学ぶことをしなかった輩が、その愚かさゆえに危険なブツに手を伸ばして、戦線を混乱に陥れたのだから厄介でしたね……。


他にも共和国の「漂白洗剤」の連中も健在らしいし、情報を盗むために仕掛けていた策略にも悪意が満ちていましたし、どうにも苦しい状況が続きますねぇ……。
連邦の大統領もシン達を保護したときに、子供を見捨てないといけない世界なら滅びた方がいいみたいなこと言ってたり、配下の高官からすら付いていけないと意見が出てくるくらいになっているのも不安材料ではありますけど。
エルンストの態度だったり、今回の民の暴走とかで足元の不確かさがが見える連邦に対して、ヴィ―カの故郷では王族の一人が殿を務めて、その報復に向かう憎悪の熱でごまかす手を取ったみたいですし、苛烈さに違いが出るな……とは思いました。

今回は離れ離れになったシンとレーナですが通信ではイチャついてくれてて、そこだけが癒しでした。