「く~。朔はその性格直した方がいいわよ。モテなくなるんだから」
「安心しろ。俺には華以外は目に入ってないから問題ない」
「だから、そういうのをやめてってば!」
柱石を護る五家。オールラウンダーの一ノ宮に対して他の四家は、呪具生成、守護、攻撃、呪いなどの得意分野があるとか。
一ノ宮は特に力があり術者協会を管轄内に設置されてたりするみたいですが、協会の管理などは五家が共同で厳重に行っていた……ハズだった。
しかし、そこに侵入者が入り呪具が盗まれる事件が起きて。
さらに才能ナシとみなされていたヒロインの華が、本家の当主の妻に選ばれたことで彼女の実家である一瀬家はピリピリしてたとか。
才能に目覚めたときに、これまで迫害してきたくせに手のひら返されるのが気に食わないって力を隠してきた華ですから、当然実家への便宜とか全くしなかったそうで。
それは両親の自業自得だからいいんですけど、そこで反省できないあたり愚かしいというか。良いように扱える華が居なくなって、今度は葉月を標的にするのが最悪です。
元々朔の婚約者の座に葉月を滑り込ませる予定だったが、それが失敗になった。つまり、葉月の結婚相手に関してはぽっかり空いてしまったわけですよね。
そこで懲りずに自分たちの都合で婚約者決めてくるんだからもう……何一つ学んでない。
今回はそんな両親たちが過去にやろうとしたことと、その時の葉月の決断を知ることで華が行動を起こせたわけですし。改心してなかったから見切りもつけやすかったという点だけは、双子にとって良かったか。
華に惚れた朔がしっかりアピールしてますが、だまし討ちで結婚続行したのと、プレゼントされた別荘は確かに海が見えるけど、定期的に妖魔が寄ってくるから掃除が必要だとか、もうちょっと手段選びましょう感がある。
いやまぁ、当主としての矜持はしっかりしていて、手が回りきらない分を実力を認めた華に任せたいって部分もあったみたいなのはありますし。
あくまでこの結婚は将来の仕事とかの面倒を見てもらう契約結婚だ、って意識が強い華相手だからアピール強くしないと、それこそ離婚されかねないってのも分かりますが。
実際、別の五家関係者から「金を積むから別れてほしい」と言われたときに、頷きかけてましたからね華……。
それからも絡んでくる朔を狙っていた令嬢と、最終的には打ち解けているあたり華の快活な性格が良い方向に働いてほっとしました。
ついに華の実力について公になったり環境はどんどん変化していくというか、華は認めないだろうけど大分逃げられなくなってそうな感はある。