ico_grade6_3

「メイドたるもの ご主人様を守るのは当然の嗜みです♪」

 

ゲームヒロインであるはずのメロディが、何も知らずルトルバーグ邸へと戻ったころ夜会会場では危険なイベントが発生していて。

魔王に体を乗っ取られ、封印解放のために動いている青年ビュークの凶行。

正史であれば既に忘れられていた銀の対策武器や魔法を開発しているあたり、転生チート組の王太子たちも出来る範囲で手は打っていたようですけど。

 

さすがに魔王には及ばず、蹴散らされるのみかと思いきや。

最初に切られたルシアナはなぜか負傷しておらず……逆に彼女を斬りつけた魔王の剣の方にヒビが入り始めて。

それはメロディがルシアナのドレスに、聖女の力を全力で用いた魔法をかけていたから、という事件現場にいないのに多大な影響与えててなかなか愉快。

 

会場に居ない聖女の力の残滓を振り払えず、いったいどんな願いが込められているのか探った魔王がメイド狂いメロディの願いでさらに混乱させられたりしてるのもあって、一気にコメディ色強くなるんですよねぇ。ちょっと前までわりとシリアスしてたはずなのに。

 

かろうじて逃げた魔王は、死にかけていた犬を新たな依り代にして。

その状態でルシアナの秘密を探りに行ったところで、メロディと鉢合わせてしまうんだから運がないというか。

……まぁ、メイド狂いのメロディが聖女の力に目覚めていたからこそ、魔王に憎しみをもって対峙する形にならず平穏無事に終わったのは、何が幸いするかわからないものですが。

 

転生令嬢のアンネマリーが、ゲームとは違う形で登場したルシアナに同じ転生者ではないかと疑いを向けてきたりしたものの空振り。

自分たちが改善のために打ってきた手の一つである定期馬車によって、運命が変わった可能性に気が付いて今後を憂いていましたが……。シナリオ崩壊してる原因全部、裏でメイド満喫してるメロディのせいだよ……。

地の文で思いっきり突っ込まれてるの笑っちゃった。