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「最初から……そのつもりで?」

「当たり前だ」

(略)

「ディーノ……。お前は最初から私の“敵”だ」

 

グレイブによって殺されかけたものの、辛くも生き延びたアリア。

彼女は最初に自分を利用とした狂人こと転生者の女の記憶を頼りに、彼女が教えを受けた隠れ住むダークエルフ、セレジュラの住まいを訪ねます。

かつての弟子の行いやアリアの願いを聞いた上で、セレジュラはアリアを新たな弟子として迎えてくれることになって。

 

アリアは本当に覚悟が決まりすぎというか、世捨て人みたいな生活しているセレジュラから、どうして鹿肉じゃなくて蜘蛛使ったんだと問われて、栄養が取れたら一緒とか言い出しますし。

 

タイトルのサバイバルが嘘偽りがなさすぎる。一般的な感性から教えないとダメかと言われてたの、元とは言えゲームヒロインへ向ける言葉じゃなさすぎるんだよなぁ……。

セレジュラの下で順調に知識と経験を身に着けていたアリアでしたが、暗殺者ギルドから使者がやってきて、セレジュラを利用しようとして。

そいつはアリアを人質にセレジュラを使おうとしたみたいですが、彼女は長く戦ってきた中で無茶を重ね、心臓に宿る魔石が肥大化したことでまともに戦えなくなったとかで。

ダンジョンで手に入る『加護』も同様に、強力な反面寿命を削るらしいですし、この世界乙女ゲームという割にかなりシビアですよね……。

 

そんなセレジュラに無理をさせられない、とアリアは自分が持ち込まれた依頼を受けることにします。

暗殺者ギルドに踏み込んで、表向きは持ち込まれた依頼を片付けつつも、敵と見定めた暗殺者ギルドという組織を壊滅させるために、全力を尽くすあたりがあまりにも強すぎる。

戦闘力という意味ではこの世界まだまだアリア以上の存在はいますけど、アリアに言わせれば強者の中には驕り、油断し、甘えすぎる存在が多かった。

それは鑑定でざっくり戦闘力を数値化できるからこそ、その指標に頼りすぎて足をすくわれるって部分もあるんでしょうけど。弱さを知るからこそ、アリアの刃の鋭さが刺さるのがいいですね。

 

巻末のSSは、狂気の令嬢カルラの過去を描く「お星さまに願いを」。そりゃ歪むわ、という納得しかないというか。

セレジュラ視点でアリアについて知ることが出来る「お師匠さまと無愛想弟子」。

真面目でたいていのことはこなせるから、情操教育が不足してるってここでも指摘されてるのちょっと笑う。気付いたときには訂正してくれてたらしくて、なんだかんだ面倒見いいですよね。