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「それじゃ行っといで無愛想弟子。無茶をするなとは言わないが無理はするんじゃないよ。お前はお前らしく生きればいいんだから」

「うん、行ってきます。師匠」

暗殺者ギルドの支部を潰したアリアは、様々な思惑から接触してくる盗賊ギルドや別支部の暗殺者とも敵対し蹴散らす中で、「灰かぶり姫は関わるな」なんて噂が広がるほどの被害は与えたようです。

……いやまぁそもそも見た目でいえば普通の美少女っぽいアリアという個人が、暗殺者ギルドと盗賊ギルドって組織を敵に回して生き延びているのがそもそも凄いんですが。

襲撃を受けたり、逆に悪辣な組織をつぶしに行ったりする苛烈な日々を過ごす中で、自分の成長を感じているアリアは本当に抜き身の剣みたいというか、尖った生き方してますねぇ。

 

成長したアリアはかなり久しぶりに、かつていた孤児院の様子を伺ったり、ガルバスとの約束を果たすために冒険者登録した街を訪れたりしています。

しっかりかつての借りを返しつつ、お土産持参して仕事を依頼する当たり、アリアは真面目ですねぇ。……若い女でありながら、しれっと脚見せたりしてて怒られ発生したりしてましたが。

 

幼かったり服装や態度の関係からか、男と勘違いしていた人も多かったようですが。

昔助けた子供、ジルやシュリとの出会いもありましたが……この2人もアリアの事を気にしていたものの、アリアについてこられる腕はなくて。突き放すのもまた優しさですよね……。

電子版特典のSSで「シュリの冒険」として追加のエピソードが読めたのはちょっと嬉しかった。シュリのイラストも可愛かったですけど、アリアなら女の子でもいいかな、って性癖開発されてて今後が心配です。

 

それはそれとして、可能な助力をしたりするあたりは甘いですけど。切り捨てるばかりじゃないのはアリアのためになると思うのでヨシ。

……まぁいざシュリ達が気にしてる街に足を運んだ時には、迫りくるオークたちを処理するために、かなり無茶してたのでそこはもうちょっと自分大事にしてほしいですけども。

懐かしの街に帰ってきたことで、斥候の技術を教えてくれたヴィーロと再会することも出来たわけですが。

 

彼から断りにくく、けれど見逃すのも面倒な依頼が持ち込まれて。

グレイブの所属元だった組織への不信感はあれど、アリアがこれからも王女と関わるつもりがあるのなら、この国の暗部である彼らとの接点は避けられないと忠告もくれるあたり、このタイミングでヴィーロと再会できたのはありがたかった感がある。

アリアもある程度の実力を身に着けた上で、もう逃げないと決意した後ですしね。

協力してグレイブを狙ったものの、逃げられたのは痛いですけど。ようやくエレーナにアリアの生存の確報が届けられたわけですし、少しずつ状況が良くなると良いですねぇ。

 

巻末のSSは今回登場した幻獣で、アリアと不思議な縁を結んだネロ視点の「月に啼く」。

そしてタイトルからなんとなく想像できる「ヴィーロの“胃痛”日記」の2編が収録。日記でもノリノリでフラグ立ててるのちょっと笑った。