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「今、持てる最高の装備だ。準備しておけよ」

(略)

「そこは気にするな。お前らが怪我しないのが一番だしな。まぁ、回復魔法も使えるから即死さえしなければいくらでも復活させてやる」

 

ジェネレート王国が勇者召喚を行い、その戦力を頼りに侵攻してきて……。

これまで何度も戦ってきたルネット帝国には、近衛騎士団長が討たれ、帝都まで落ちる事態に陥ってしまったとか。

辛くも逃れた皇女シャルと護衛のアルと出会ったことも影響し、トウヤはジェネレート王国と敵対する覚悟を決めるわけですが。

自分と同じく異世界から召喚された勇者という存在を侮っていないトウヤは、自分一人の力で撤退まで追い込むのは難しいとは思っているようです。

それでも抗うのを諦めるつもりはなく、レベリングに励むんだから真面目というかなんというか。

 

トウヤ達はシャルの存在がバレたことで、結構慌ただしく拠点の街を出て帝国のリアンという街を目指したわけですが。

彼らが到着した時点でリアンに王国の軍隊がやってきてたので、大分危うい状況ではありましたね。トウヤ達が奇襲して指揮官を捕らえたことで、一時的に引かせることに成功し時間を稼げたのは良かった。

 

そうして稼いだ時間で、トウヤは帝都に忍び込むことを提案して実行するんだから、大分思い切りが良い。

ナタリー達相手に大分砕けた物言いをするものの、彼女たちの身分とかお嬢様らしい部分を見ると一歩引いてしまうあたり、ちぐはぐさはありますが。まぁ日本人の小市民らしい反応と言えばそうか。彼女達を大事にしてるのも、信頼してるのも確かですしね。

 

帝国の人々は亜人とも共存する方針だけど、王国側はそれに反する立場で……トウヤが何一つ気にせず帝国の味方できるのはわかりやすくて良い。

当人は身の丈にあった生活が出来ればよいと思ってるけど、皇帝の救出から帝都解放の助力まで成し遂げた英雄にはしかるべき褒章があるべきなんですよねぇ。

気ままな冒険者でありたかったようですけど、そうすると貴族からの干渉が大変なことになる、というのも相まって結局貴族に叙されることになってましたが、なるべくしてなった感。なし崩しで婚約者も決まってましたが、そりゃそうだよ……。