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「ナイアならできる。海はきみを拒まない」

 

カメラマンの父からアメリカを拠点にした方が仕事の都合がよくなった、と一緒についてくるか日本に残るかを選んでくれと言われた主人公。

しかしそれを伝えるのを忘れていたらしく、期限の三日前に伝えられることになったのは大変ですが……。

家族として長い付き合いがあるので、割と早い段階で受け入れてるのはすごい。諦め癖がついてるともいう。

 

主人公は陸上に打ち込んでいて、それが唯一誇れるものだったようですが……。

怪我をして以前のようには走れなくなってしまったことで、学校にも不登校気味になってしまっていたそうです。

それを思うと急な話ではありましたけど、父の伝手を頼って別の環境で暮らすことで一度「リセット」するというのも悪くない話だったのかもしれません。

 

お世話になる先はダイビングショップで……街を訪れた時最初に出会った少女ナイアが、そこの子だったのもまた運命的だともいえる。

母を亡くして育った主人公の葵と、父を亡くした少女ナイア。

それぞれに違った形で過去に傷のある二人ではありますけど、海という場所で過ごす間に前向きになれているのが良かったですねぇ。

特にナイアの影響で海に惹かれるようになった葵が、今度は立ち止まってしまった彼女を連れていくという展開は、王道でとても良かった。いい青春ものでしたね……。