「遅かったじゃない――ハル!」
「可愛い教え子に見せ場をあげたのさ……と、言えれば、格好がつくのだけれどね。単に座標を合わせるのに手間取ったんだ。タバサ、鈴を鳴らしてくれてありがとう。間に合って良かったよ」
雷竜を討伐し特階位に上り詰めたレベッカ。
当人はその実績に満足し、ハルに会いたいがために辺境都市に戻ろうとしていましたが……。
竜の素材はあまりにも貴重で多くの金銭が動くので、当人にはどうしても現地に居てほしい姉弟子たちとバチバチ言い合いをしていましたが。
突如現れた強力な悪魔を撃退し、気になる素材をゲットしたことでそれを報告するという大義名分を得てウキウキ帰るレベッカは微笑ましかったですねぇ。
2日だけですよ! って言われていたのに、ハルと再会してからそんなこと頭からすっぱり消し去って久しぶりのユキハナを満喫してましたが。
それで連絡がとれずにジゼルが悲鳴を上げる羽目になったりしていたので、もうちょっと周り見てあげてと思わないでもなかった。
まぁハルの弟子たちは、彼の事好きすぎるからなぁ……。
そしてレベッカがやってきたタイミングで、シキ財閥の先代当主ローマンが訪問していたり、それを追跡してきた孫娘タバサと鉢合わせたりする一幕がありましたが。
ローマンの亡き妻カガリがハルの弟子で繋がりがあったことや、タバサに才能の輝きを見たことでいつも通りの交流をすることになってはいましたね。
ただ、ローマンの息子である現財閥当主は、ハルのことについてなどや家族について何も知らず。暗躍してる勢力の介入もあって、ちょっと暴走することにはなっていましたけど。
ハルや彼の弟子たちの実力は信頼できるので、たいていのトラブルは安心してみてられますね。
……今回の一件でハルが口走った単語とかを見るに、敵対勢力にも重い背景がありそうですし、油断は禁物っぽい感じもしますけど。