「大丈夫ですよ、先輩」
(略)
「私がついていますから。大丈夫です」
不眠症に悩む高校二年の主人公、獏也。
眠気はあるが寝れず、色々と安眠のために試行錯誤したが失敗。
入学式の時に寝不足で足がもつれ、倒れた先に校長が居たことで巻き込み……後輩からは「ラリアット先輩」なんて綽名が付けられてるらしいですし、あまりにも可哀想ではあった。
夜に寝られず、授業中にうっかり寝落ちしてしまうことで成績も落ちてるっていうし、大分実害がある。
どうせ寝られないからと気晴らしに散歩に出かけた夜の公園で、君鳥という不思議な少女と出会って……。
自分は眠らなくていい人間だからと嘯き、不眠症には詳しいから協力しますとか、理由は獏也の反応が面白くておちょくり倒したいとか言ってきます。
とりあえず、初対面の男子を自室に連れ込むのは危ないぞーと言いたいですけど。
まぁ何かしらは思惑、というか秘密はあるよなぁという感じの怪しさ。でもそんな誘いに乗ってしまうくらいには、大分限界だったんだろうなぁとも思います。
そうやって君鳥と交流して、獏也の不眠の原因となっていたトラウマを超えて、そうやって助けられた分をお返ししようとする構成は王道のものではありましたね。
ただ獏也は行動力がありすぎるのは良し悪しだよなぁ、というか。突き進みすぎて失敗もするし、今回みたいに良い結末を引けたりもするみたいで、総合点でいえば憎めないやつとはいえるかもしれません。