「はい、何があっても私が姫様をお守りいたします。ですから、あまり一人でお悩みになられませんように……」
「はい。気を付けますね、アデル。ありがとうございます」
かつて奴隷として囚われ、違法な人体改造を施された上で戦いを強いられた主人公のアデル。その戦いの中で無数の傷を負い、両目も潰れてしまった。
それでも生き延びていたあたり実力は確かで……ある日、ユーフィニア王女によって救われ護衛として取り立てられることに。
彼はユーフィニアを篤く慕う良い騎士だったようですが。世界を南北に二分した大戦が起きてしまい、姫様はその過程で落命。
ユーフィニアの願いにそぐわないと知りつつもアデルは復讐の戦いを辞められず……対戦を勝ち抜き英雄となった。
そんな彼の前に謎の存在が現れて、その行いは立派だったから願いをかなえてあげると言われ、迷わず姫を救うことを希望して。
そのまま蘇生させることは叶わないけれど、アデルをユーフィニアが生存していた過去に贈ることはできると言われ、迷わず受諾。
そして過去に戻った時アデルはなぜか少女の姿になっていた。
剣聖として戦い抜いた経験と知識はそのままに、さらにはこの世界で特別な存在である聖女としての力にまで目覚めていて。
前回とは違う形ではあれどユーフィニア王女と出会うことも出来て、騎士として傍に居られそうな状況にはなりましたが。
アデルが聖女としての力を持つために、教会から横槍が入ってくる一幕もありました。しかし、大聖女の一人がユーフィニアの仇であったり、アデル達が捕らわれていた闘技場の裏に枢機卿が居たりするみたいですし、どうにも信用しにくいんだよなぁ……。
1週目の世界では死んでしまった存在を助けられたりして、現状では良い方向に進んでいるように見えますが。アデルを転生させた存在によれば、運命には強制力があるため前回とは違う道を辿っても同じ結末にたどり着きやすいそうですし、油断は出来ませんな。
女性になった自覚が薄く、日常の振る舞いとかに課題はありますけど、戦闘方面でアデルは本当に頼りになるし、ユーフィニア王女も良い子だったので、結構楽しんで読みました。