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「ここで『邪』の力を使っても、相手にはまだ本物の『邪』が残ってる。なら、『邪』の力を使う『聖』くらい、『邪』の力に頼らないで倒さないと、この先やっていけない……!」

 

前回のエピローグでレクシアが優夜を探るレガル王国の王に接触されて彼と剣聖のエキシビジョンマッチに賛同してしまったのはちょっと惜しいかなぁ。

優夜を慕って彼の強さを信頼するのはいいけれど、勝手に約束取り付けてるし。地の文で、優夜という存在を探る目的だったことに気付いてないって明言されちゃってるし。もうちょっと腹芸も出来た方がいいと思うよ……。

時を同じくして動き出した邪側もそのレガル王国の式典で暴れようと目論んでいたので、優夜的には踏んだり蹴ったりなのでは。

 

さらにレガル王国では、迫る邪への脅威に対抗するために賢者について研究し、かつて彼が見たという、異世界の存在を呼び寄せる魔法まで開発していて。

……うーん、一回叩かれた方がいいんじゃないだろうかレガル王国。

そして現実世界でもオカルト研究部に入った雪音が怪しい術を使って異変を引き起こしてたりするし、トラブルしかおきてなくて笑える。

 

今代の剣聖さん、公爵家令嬢として生まれたものの剣に興味を持ったお転婆娘で、令嬢としての教育よりも力を入れていたとか。

その果てに剣聖の弟子として認められ、その地位を継承してるんだから大したものですが。

女学校で友人は作れたけれど、興味が剣に偏りすぎて婚期を逃してるとかいう設定までついてたのは悲しみを誘う。

聖の地位にありながら「自分より強い男」を求めてる時点でハードルが高すぎるのよねぇ……。

 

そして駆り出された優夜でしたが……前回の騒動の中で、ユティの中にあった邪の力を取り入れたことで、その力を汲みだせるようになったのは大きい。

まぁ邪の力使うと出力上がりすぎてコントロール難しくなるから、兎師匠の特訓が苛烈になったりもしてましたが。

剣聖との試合も相手の技量に驚きつつもある程度は戦えてたあたり、しっかり身になってるみたいですね。

そこに『邪』と堕落した聖が現れて引っ掻き回しに来て、ウサギ師匠や剣聖も苦戦する状況になったりしてましたが。そこから逆転したのはお見事でした。

 

『邪』側でメインになって動いてる存在は複数いるみたいなんですが。根は同じというか、一人倒れてもその分の力と情報は共有されるとか、対応するのは面倒そうですねぇ。

ジョーカーじみた異世界人の優夜も今回ついに見つかってしまったわけですし、どうなるやら。