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「その後悔だったら、さっき散々した。俺はそれと折り合いをつけて生きていくって決めたんだ――もう逃げない。たとえどんなに恨まれても辛くても生き抜いてやる」

 

再読。退魔を生業とする陰陽師の家系、星野宮。

そこに双子の姉弟が生まれたのですが……姉の御影は陰陽術に才能を示したものの、弟の光輝は才能どころか術のために必要な呪力すらもなかった。

そのため門下生には馬鹿にされるし、当主である父からも苛烈に対応されまくったわけです。

鬱屈した日々を送る中で光輝は自身の持っていた「精霊を見る能力」を異国の魔術師に認められて、海外に修行に乗り出すことを決意。

 

そして一年ほどの修行を経て、光輝はある程度の実力を会得することに成功した……のは良かったんですが。

それまでの父親の対応もだいぶ悪かったので、力をつけた息子に反抗されてボコボコにされそうになるのはまぁ正直仕方ないと思います。

ただ光輝は光輝で、師匠からまだ修行が終わっていないって反対を受けているのに、それを押しきって帰国して父に喧嘩を売ってるのはさすがに青すぎるというべきか。

馬鹿にしてきた門下生は一蹴できたし、父に嚙みつくこともしたけど、結果的に叩きのめされてますしね……。

 

その戦いのときに父が持ち出した武器を光輝が破壊したわけですけど。それが新たな災いを呼ぶきっかけとなって。

言ってしまうとここまでの出来事って、壮大な親子げんかでしかないんですけど。副次効果として起きた事件の犠牲者が多すぎるのがあまりにもなぁ……という感じはする。
とはいうものの再読してるので、大分懐かしい気分になりました。