「追憶をいけないことだとは言わないわ。『過去』が無ければ今の自分は無いわけだから。たまには『過去』を懐かしむのもいいと思う。――だけど生きられるのは『今』だけだっていうことを忘れないで。『未来』は『過去』から続いてきた『今』を生きる君が引き寄せるモノだから」
未熟さを痛感し、英国に戻った光輝。
そこで師匠たちと再会を果たしたわけですが……師匠のルーシーも祖父の教授も、光輝の覇気のなさに気付いてはいましたが、ひとまずは様子見。
旅の資金稼ぎのために、ルーシーと共に魔術学院に持ち込まれた高額報酬の仕事を受けることにしたわけですが。
それが、高名な錬金術師から出された、親族を狙った襲撃犯からの護衛任務。
既に何度か失敗し、依頼を受けた人も返り討ちにあってしまって、誰も受けようとしてないという曰く付きの依頼だったわけですが。
それでも受けようって辺りルーシーは、なかなか剛毅な性格していますね。
そして依頼人のエリオット・トラヴァースと対面もしてましたが……なかなかひねくれたご老人だったというべきか。
なぜ高名な錬金術師の関係者を、手当たり次第に襲撃するような輩が出てきたのか。エリオットは心当たりなどないと言っていましたが……。
依頼内容が、襲撃犯を捕獲して依頼者の前に連れてくること、になっている時点で心当たりしかないって言うね……。
復讐に燃える敵だったり、護衛対象として出会った家に伝わる術に才能を示せなかった少年だとか、光輝との対比になるキャラが多かったですかねー。
鏡のような相手との出会いや、師匠や姉からのアドバイスで再起できたのはまぁ良かったんじゃないでしょうか。
エリオットの行いに巻き込まれた形になるトラヴァース関係者や、襲撃犯ヴァルの抱えていた事情とかを思うと、どうにも浮かばれませんが……一度血が流れた以上、どうしたって三方良しの決着にはならないから、ビターなのも止む無しか。