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「いつか自分のやりたい事を見つけなさい。俺はそれを手伝ってやるからな」

「……うん!」

 

世界最強のエージェントとして活動していた主人公は、仲間に後を託して命を落とした。

そして気が付いたときには、魔法のある異世界に転生してシリウスという新たな名前を得た。

母は既に亡く、使用人たちには優しく見守ってくれているものの……父は彼の事をまったく顧みない下種だった。

まぁ干渉してこないおかげでシリウスは優しい世界で過ごせていたので、そこはありがたくもありますけど。

 

魔法の適性属性を持たないシリウスは、この世界では蔑みの対象になりかねないとのことでしたが。

前世知識を持つシリウスは何事も使いようと工夫して、身体能力強化や空中移動、遠距離攻撃など汎用性を持った技術へと発展させていったのがお見事というほかない。

 

自力で修行をする傍ら、あちこちに遠出してそこでも良い出会いをしているので、父には恵まれなかったけど、それ以外の人の縁という意味ではシリウスかなり運が良いですよね。

彼の事を気に入ったエルフの少女や、隠居していた武人、奴隷となっていた獣人の姉弟など。

獣人のエミリアとレウスはその経験から最初こそ心を閉ざしがちでしたけど、しっかりと心を溶かして信頼を勝ち取ったのはお見事。