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「では新しい世界をお楽しみください」

 

不登校な主人公のユナは株で稼いだ金で親を黙らせ、ゲームを満喫する生活を送っていた。

そんなある日アップデートキャンペーンと称してプレゼントをもらったわけですが。

それが表紙イラストのようなデフォルメされたクマの着ぐるみや手袋などと言った、性能は極めて高いけれど普段使いは悩むデザインだった。

強いけど悩むなぁと思いつつゲームを始めたつもりだったが……ユナが次に気が付いた時、彼女は異世界に迷い込んでいた。キャンペーンで贈られたクマ装備一式と一緒に。

 

知らない森の中にいたユナは、母のために薬草を求めて森に入った少女フィナと出会い、彼女の住む街へと連れて行ってもらうことに。

ここで良い出会いが出来たのは本当に良かったですね。

後にユナは冒険者になっていましたけれど、可愛らしい容姿をしたユナが一般的ではない着ぐるみのクマ装備をしている姿を侮る先輩冒険者とかも出てきますからね……。

異世界でのファーストコンタクトがそういう類の相手で、喧嘩スタートとかにならなかったのは何より。

ギルドマスターも規格外なユナの行動に困惑しつつも、アドバイスくれたりする常識人ではあるので助かる。

 

フィナとの交流を重ねつつ異世界に馴染んでいってるユナですが、クマ装備が強力な反面、魔法を使う時とかなにするにしてもクマのデザインになっていくのはクマの我が強くて笑っちゃうんだよな。

「クマをイメージするとさらに威力が上がる」って効果があるから、使いこなそうとするとクマ型にならざるを得ない、という方が正確ではありますが。

色々と活動していく中で他の冒険者から「ブラッディ―ベアー」なんて異名つけられてるのもまぁうなずける活躍をしてる彼女の戦いはまだ始まったばかりだ! という感じでゆるーく楽しめる作品。

 

巻末書下ろしが「クマさん、クマを召喚する」。

クマの召喚獣スキルを獲得したユナが実験をする話。白と黒のクマに、くまゆるとくまきゅうってゆるい名前つけてるの、独特だなぁ……。