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「誰かさんのおかげって……、それはわたしのせいじゃないでしょう」

「感謝しているが、事実だ」

 

1巻からのノリは変わらず。

あとはユナのステータス画面が巻頭にまとめられて、本文中で既存のスキルが何度も表示されないようになってたのは個人的には良いポイント。

 

ユナは街で気ままに過ごしていましたが……否応なく目立っていた彼女に興味を持ち、領主からの指名依頼が入ってくるまでになって。初手拒否できないかなぁって考えるあたりがユナらしい。

領主のクリフが根は善良な貴族だったのは良かったですけど。足元で不正してる馬鹿を見落としていたりして、完璧でないあたりも人間らしいというか。

ユナから軽く報復されるのもむべなるかな。情報を得てからしっかり対処できるあたりは偉かったですけどね。

 

気ままにふるまって、良縁で結ばれた相手が幸せになる方向に引っ張っていくユナは、当人にそのつもりなくても幸運のお守りっぽくなってるというか。

この作品の主人公はやっぱり彼女なんだよなぁ、と安心できる感じは好きです。

……フィナの母の病状が悪化して治療したのちに出した条件が、母子家庭の彼女たちを見守ってきたゲンツの背中を蹴とばすことだったのは、個人的には微妙でしたが。

フィナの母の病状とかもあって進展してなかっただけで、いつかそうなっていた可能性は高いとは思いますけど、治療後に出す条件として踏み込み過ぎかなぁというか。

 

巻末の書下ろし番外編は「新人冒険者13」と「クマとの遭遇 院長先生編」。

暇つぶしで仕事を探して冒険者ギルドに足を運ぶあたり、ユナは自由ですねぇ。そこで新人に絡まれたりしてましたが。ギルドから注意されてるのに、親しいわけでもない相手に無遠慮に近づいて頭ポンポンと叩いてくるのはちょっとダメでしょ。

後に命を救われた時にしっかり謝罪とお礼を言えたのはいいけど、先達の助言はしっかり聞いた方が長生きできると思うよ……。