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「神話が真実ならば命の恩人ですから、わたくしにとってのフェルディナンド様のような存在かもしれないとは考えました」

 

カラー口絵で空中に描かれた魔法陣とそれを見るローゼマインの側近たち、みたいな構図が結構好き。WEB既読なので、ついにここまで来たか―って感慨深さがありますね。

ランツェナーヴェからの侵攻を撃退し、いよいよ事後処理が始まろうかという状況なわけですが。

ローゼマインは急成長した体に馴染めていないし、英知の女神を降臨させた影響が抜けていないし、大分振り回されていますね……。

大事な記憶が一時的とはいえ失われていることや、もともと自分の大事なものを優先するタイプの子だったこともあって、彼女自身はそこまで気にしてないように見えますが。

 

プロローグのフェルディナンド視点で、ローゼマインが英知の女神を降臨させたときのやり取りとかを見ることが出来て、神々の傲慢を感じましたね……。

この巻の後半で、再び降臨させることになってしまっていますけど、フェルディナンド憎しでローゼマイン巻き込んでくるの、本当になんだかなぁ……って気分になります。

うっかり遥か高みに上りかねない危険を背負わされたローゼマインでしたけど、フェルディナンドや側近たちの協力もあって、「神々の魔力」という爆弾を処理できたのは何よりでした。

……まぁそこで区切りとなって引きなので、書籍化の人にとってはだいぶ待ち遠しい状況にはなりそう。完結巻は今冬予定ということで楽しみに待ちます。

 

エピローグはローゼマインを見送ることしかできなかった側近グレーティア。ローゼマインに救われたことを本当に感謝しているのが、彼女視点だとより詳しくわかって良かったですね……。

巻末のSSは「閑話 継承の儀式」でWEBにもあったハンネローレ視点では神秘的に見る儀式(裏では大分ドタバタしてましたが……)について。

そしてエグランティーヌ視点の「始まりの庭と誓い」は、彼女の覚悟が感じられる描写が多くて良かった。

あと「新しいアウブのすげぇ魔術」で、アーレンスバッハの平民視点のエピソード入れてくれたのは個人的に嬉しかったポイントですねー。より影響を受けることになる彼らから見て「すげぇ」ことをしたのが分かりやすかった。