「……貴方はおかしいと思わないのですか」
「おかしいのはどちらかというと私達の方ですよ。だから、気にする必要はないかと」
父から陰陽師の知識ついても少しずつ教わり、札の書き方の練習をしたりしている中で幼稚園に通う歳になった聖。
自分も我を通すタイプだからか、芸術家肌の男子と友人になったりしてるので、聖の世界が狭くなりすぎてないのは良いですね。子供の好きを否定しないの、大事。
源家の主催するお茶会に参加したり、陰陽師の家同士の付き合いも生じたりしてますが……。
源家の雫ちゃんは同年代の少年少女に幼稚さを感じるくらいには早熟で。前世持ちゆえに落ち着いている聖に軽く共感を覚えていたりしましたね。
普通にトランプで遊んだら聖に勝っちゃうし、雫ちゃんのスペック素で高いんですよねぇ。負けた後、技術を弄してでも勝ちを取りに行った聖の大人げなさにはちょっと笑っちゃった。雫ちゃん、聖から悪い影響受けないといいんですが。
まぁ聖も今回は陰陽師としての特訓に打ち込んで、真面目に活動してるんですよね。
祖母に贈るお守りを作ったり、父同伴で陰陽師の仕事をしてみたりと。ただ作ったお守りが想定以上の効果を発揮したり、脅威度が低いとはいえ妖怪を通常とは異なる方法で祓ってみたりと、天才認定されても仕方ない成果を上げてはいますが。
父親が後始末とかでフォロー入れてくれるのは良かったですね。
才気あふれる息子に影響されて、狭部家当主として果たすべき試練を乗り越えたのはお見事。
先代当主が仕事の中で亡くなってしまったため、父は今まで半人前の状態で働いていたのではないか、と聖は予想していましたけど。
……それはそれとして抱え込みすぎる性格で、妻にも秘密にしていたことがあったりして、問い詰められたりもしてましたが。無事にそっちの問題も落ち着いたようで何より。