ico_grade6_4

「どうする? 勝てないと諦めるか?」

(略)

「はっ、嫌だね。――絶対に諦めない」

 

魔獣が現れ人々を襲う。そんな異変に見舞われるようになって30年が過ぎた日本。

なぜか魔獣は日本にしか現れなかったために、海外に逃げる資産家が続出したり、各国が日本の大使館を閉鎖し距離を取る対応を取ったり、結構追い込まれていたようです。

そんな日本に現れたのが「魔法少女」。

最初の魔法少女の契約者だった八咫烏を介して、天照大御神からの言葉を聞いた政府が庇護を受け入れたことで構築されたシステムによって見出された少女たちが、異能をもって魔獣と戦う希望の象徴。

……まぁ、普通に魔獣強くて魔法少女たちの殉職率も高いみたいですし、悪く行っちゃえば普通に生贄じみた存在ではあるんですが。

 

主人公の鶫はそんな世界で生きる男子高校生。

十年前に起きた災害に巻き込まれ辛くも生き延び、双子の姉とつつましく暮らしている平凡な少年……のはずだったんですが。

ある日、災難にも魔獣を隔離する結界に巻き込まれ、死に瀕することに。

そこにある神様が現れ、男ながら「魔法少女」になれる特殊な才能を見出され、戦いに参戦することとなります。

 

そして彼が名乗ることになった魔法少女としての名前が、タイトルにもある葉隠桜なんですね。

魔法少女への変身の際に「鶫が女性化したら」という形に骨格まで変えてしまう神様すごい。そのおかげで、顔が似ているとは噂されつつも普段は学生生活送れるんですけど。

才能はあれど未熟な「葉隠桜」が魔獣と戦いスキルアップしていく、王道の展開。

……ではありますが。鶫は災害以前の記憶が曖昧だったり、地の文の節々だったり鶫の友人・行貴の言動に不穏さが滲んでいて、続きが楽しみであると同時に不安にもなる。

全体的に好みの描写でしたねー。実際、続き気になって読了後WEB版読みに行っちゃいましたし。書籍の続きも出てくれるといいんですけど、どーですかねぇ。