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「怖い思いをさせて…ごめんね。でも二人は必ず無事に帰すから……」

 

異能が密かに存在する地球が舞台の現代ファンタジー作品。

主人公、祐人が生まれた堂杜家は秘匿されるべき役割を担う霊剣使いの家系だった。

しかし祐人は両親から相反する力を継いでしまったために、自由に能力を使うことのできない状態だった。

祖父から別系統の技術を叩きこまれたおかげで、実際の戦闘能力は高いものの特殊技能過ぎて別の異能者からも実力が感知されにくく侮られがち。

 

時間の流れが違う魔界で3年過ごしたため、実戦経験もあるみたいですし、スペックはかなり高い模様。

とは言え、強い力にはそれだけの代償が必要で。自由に使えないし、代償によってリセットされてしまう部分もあるために、積み重ねがしにくいのは生きにくそうですね……。

 

祐人には異能者としての生活と、何も知らない友人たちと過ごす学生としての生活があるわけですが。

能力の代償もある中で、普通の学生生活が彼を繋ぎ止める重石になっているのはいい塩梅だとは思いました。

ただ一番その役割を果たしている幼馴染の少女、茉莉は祐人からの告白を嘘ついた上で振ったわりに未練たらたらなのがちょっとなぁ、と思ってしまうので苦手。その未練があるからこそ、重石になってるともいえるんですが……。

 

あと多少考えはあるっぽいですけど、祐人の祖父が生活費使い込んで孫に「十五になったら一人前」と放り出して。せめてもの情けか住むところだけは、伝手で格安で手配してくれてたけどボロ屋すぎてテント暮らしする羽目になってたし。

あちこちで祐人が、当人にそこまで責がないのに不憫な目に合ってるのが引っかかる。そういうポイントが多くて、あまり合わなかったですね……。