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「あの…入試に何かおかしなところがあった訳では…」

「おかしいのはお前自身だ」

 

マティアスの父親がかつて剣技の試験で2度試験官をぶちのめして、10点満点のところ30点をもらって合格した、というように。

実力主義を謳う第二学園は結構柔軟な対応をしてくれるんですよね。……とはいえ、50t年満点の試験で257点取ってるのはいっそバグでしょ。

マティアス自身ですら「何だこれ誤植か?」とか言ってましたし。それだけ常識外れのことしたんだよ、自覚しな……。

 

その異質さを認めた校長は、排除するような愚は犯さず。

何か秘密があると気付きつつも追求もしないで、むしろ力を貸してほしいと頭を下げられるところは好感が持てますね。

話を聞いて、魔法技術の衰退には何者かの意図があると再確認したマティアスは、面白そうな話だし、暗躍してる輩にも会えるかもと提案を受諾して。

 

自分が目的達成のために歩んでいる途中で、人類が危機に直面するのは望ましくないっていう、利己的な部分もありましたけど。

まぁそもそもが自分の夢のために転生までするような御仁だからなぁ。なんだかんだ知識の伝授には協力的なので、そこはありがたい。

マティアスの無詠唱魔法の派手な実演のあと、ガイザル先生の実践を見ると大分コミカルでしたけど、あれですら今の時代では凄い実績みたいですしね。

 

試験前に知り合ったルリイとアルマとパーティーを組んでダンジョンに挑んだり、少女2人にも惜しみなく知識を与えて常識をぶっ壊していったり。

相変わらず自分の道を突き進むマティアスが面白い。

戦闘を望んで第一紋を手放したマティに対し、ルリイは逆に戦闘よりも付与がしたくて第一紋を喜んでいたりしますし、受け取り方はそれぞれですねぇ。

付与が絡んだときのルリイ、分かりやすく目が輝いてたりテンション高かったりして可愛かったです。

 

巻末SSは『最強賢者、買い出しに行く』。

ダンジョン探索用の装備を買いに行ったマティアスたちの話。彼の知識で対処できる部分も多いけど、ルリイに頼るところもあって、良いパーティーになりそう。