「恐れりゃな、晶。其方が其方自身を信じることを。忘れりゃな、晶。己を理解した時、其方は妾を呼ぶであろう。其方はただ、その時を待つが良い。妾もその時を楽しみに待つとしよう」
百鬼夜行を平らげて自身の存在を示した晶。
珠門洲出身ではない彼が、精霊器を所持していることや奥義に挙げられる技を使った事から、スパイの疑いが賭けられる羽目に。
彼の存在を重視する奇鳳院の令嬢・嗣穂の介入によって事なきを得ましたが。
そうやって実質庇護されてる状態で、防人に取り上げられることにもなった以上、注目されるのも避けられず。
嗣穂にも事情があり、事情を話した咲を晶の傍に置くようにしたり、外堀を少しずつ埋めていく形を取っていますけど。
まぁ晶は晶で実家から追い出されたこともあって、警戒しまくる小動物みたいなところあるし、彼の性質を踏まえれば慎重になるのは悪くはないですよね、お互いに。
晶も玄生と名を変えて札を売ることで、生活費の足しにしたりしてることが知れた時、嗣穂がどう出るかわからないから伏せてるし。嗣穂としては、念のため手口は確認しておきたい問題だから探りはいれるし。
まぁ、あか様の意向もありますし、嗣穂たちはそうそう選択を間違えることはないでしょうけど。
國天洲で晶の価値を知っていた人々は、ようやく致命的な失敗に気付きつつあります。そんな中で雨月は、何も知らず宴会しちゃってるからなぁ……ご愁傷様としか。同情の余地はないですけども。
異国の何某かが陰謀めぐらせてるのは変わりませんが、関わり方はWEB版から結構変わってましたね。
腕利きの陰陽師に玄生の擬態暴かれてましたし。嗣穂が干渉できるところで良かったというべきか。……これまでの描写見るに、四院の手が及ばないところなんて、同格以外にはそうそうなさそうですけどね。
閑話『それでも私は、貴方を知りたくて』でも嗣穂視点描かれてましたし、彼女の解像度上がるのは個人的には嬉しいですね。
晶の素質は素晴らしいものですが、まだまだ未熟なのもあるし、彼自身が立ち位置を定めきれてない状況ですから、さて今後どうなっていくのやら。加筆も多いし、書籍版の続きも読みたいものですね。