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「――俺は何も倫理的に間違っているからやめろといいたいわけじゃない。俺がいましてめいるのは、きみが安易に力で事態を解決しようとしたその姿勢だ。そういう考え方は力におぼれることにつながりかねないからな」

 

BOOKWALKER読み放題にて読了。期間限定タイトルで7月末まで。

一般には認知されていないものの陰陽術などが存在する世界を描く、現代ファンタジー。

サブタイトルにある少女陰陽師のひよりは、陰陽師と女子高生の二足の草鞋を履いた上で、行方不明になった父が経営していた探偵会社の代表としても活動していた。

とはいえまだまだ未熟で、術士界隈に詳しくない彼女の保護者役である叔母さんなんかは、探偵業を行うことを反対されたりもしています。

 

そんな彼女を支えているのが、西洋からやってきた魔女術の継承者である青年レイジ。

彼は、母の遺言で「日本の知人に恩があるから代わりに返せ」と言われて日本にやってきたものの……相手が行方不明のひよりの父だったことから、代わりに彼女の世話を焼くことに。

揶揄ったり皮肉を言ったりもしますが、怪我したら気を使ってくれるし、彼女の目的を阻もうとはしなかったり、なんだかんだ人が良い。

レイジ自身の目的もあっての行動ではありますけど、そのためにひよりをサポートするの最適かって言ったら違うでしょうしね。

 

レイジとひよりはオカルト対策も出来る探偵会社として、使い魔に襲われる依頼人を守ったり、異様な連続殺人事件の調査に協力したり、知人からの紹介で謎の箱を創作しようとしたりするわけですが。

そのいくつかにはつながりがあって、予想以上の騒動になったりもするんですが。協力して乗り切ったのはお見事でしたね。