「スウシーア様。どうしてクローディア様に抗議を入れなかったのですか?」
「入れなくてもいいかなって。アークスが負けるとは思わないし」
ポルク・ナダールの反乱は無事に終えたものの、帝国の介入があったとはいえ内乱なわけえで。
その騒動を「魔力計の発表」という一大ニュースで上書きする、という方策がとられることに。セイランは、魔力計が広まり多くの人が恩恵を十分に受け取ってから、製作者の名前を発表することで、未来のアークスが得る名声を高めようとも考えているみたいです。
他国上層部の中にもアークスが製作者だろうと目星をつけている人は居て、引き抜きを掛けようとしてきたり、政治的なやりとりも増えていくんでしょうねぇ。
魔力計発表パーティーで、ジョシュアは懲りずにアークスに圧かけにきてたけど、盲目になりすぎてて、いつか足元すくわれそう。アークスから叩かれることは確定してますけど、ジョシュアなんか勝手に自爆するのでは感が強い。
あとは、リーシャに取りついた何某か。魔力計がなぜ魔力を測れるか、という仕組みについては詳しかったですが……彼の知識、どこが由来なんでしょうねぇ。
ガウンも存在を知ってるっぽかったですし、精霊の仲間というか……紀元書に存在を記されている何かな気はしますが。
アークスを導士と呼ぶヒオウガ族からの接触があったりしてますし、少しずつアークスの関わる世界が広がっていきそうですね。
その象徴の一つが、魔法院への入学でしょう。
危なげなく首席入学を果たしていましたけど、廃嫡された無能という噂が知れ渡っていたり、魔力量が少ないのは事実なのでそれを絶対視する人もいたりして、どうしたって彼に向けられる視線は厳しい。
国定魔導師のメルクーリアがいて、注意をしてくれたりもしてましたけど。
新たに魔力量に恵まれた魔導師をみることで、改めて魔力量の少なさというハンデを実感することにはなっていましたね。
学院を管理している公爵家のクローディア。直前で、代々伝わる秘匿事項について教えられたこともあって、無駄に気負い過ぎている時期にアークスが出くわしてしまったのが運が悪かったというべきか。
魔力量の低いアークスを魔法院から追い出そうと決闘まで申し込んでくるのは、正直やりすぎだと思いますけどねぇ。
同じ公爵家のスウシーアから、アークスが勲章をもらっていることとか示されてなお止まらないし。最終的に実力を認めてからも、決闘何度も申し込んできてるとかそこまで諦め悪いのはちょっと……。
それはそれとして、決闘そのものは面白かったですけどね。
アークスがクローディアの術式先読みして、少ない魔力で対抗魔法を編むことで無効化していく様は見事でした。
戦場で活躍できるくらいにアークスは威力の高いオリジナル呪文を作ってますけど、逆に威力が高すぎて使いにくいのは、厄介でしたけど。それでも工夫によって勝利をつかんだのは良かった。
あとは、クローディアが使う秘伝の術式『抑圧』の仕組みは気になりますね。アークスはゲーム的な思考が必要とか言ってたし、相手のレベルを下げることで結果的に魔法の威力を下げる、っていう魔法なんですかねぇ。