「……強くなったな」
「やった! ワタシ、ガイ……マティアスさんに認められる時がくるとは思ってませんでした!」
帝国で暗躍していた魔族を撃退し、問題解決に寄与したマティアス達。
その首謀者としてマティアス相手に名乗りを上げたのは、古代時代の王族グレヴィルだった。賢王と称えられたはずの彼が、どうしてそんなことをしているのか。
「3か月後に、人類を滅ぼす」という物騒な宣言には、どんな意味が込められていたのか。宣言直後からしてマティアス達に他意があることは察されてましたけど。
対策は必要だ、ということでマティアス達はギャンブル迷宮と呼ばれる迷宮都市イーリアスを訪れることに。
自動昇降機で臨んだ階層に行けるが利用料が高く、狩の成果があがればもうかるけれど失敗すれば大損というところからそんな異名がついたそうですが。
……マティアスとその教えを受けたパーティーからすれば、まぁ問題ないんですよねぇ。あっさり最高踏破階層更新してますし。
これまでの戦果が23層までだったところ、第二学園の生徒たちが24層まで更新……したところで、サクッと27層まで行っちゃうんだからもう。
今回はモンスターハウスを求めてそこまでにしただけで、マティアスだけならもっといけるでしょうけどね……。
いろんな知識が失われているせいで、状態異常を使ってくる魔物がでる9階層とか、低階層ながら恐れられていたりもしましたし、よくもまぁ本当に人類生き延びてましたね、という情報ばっかり出てくる。
ギャンブル迷宮の要である昇降機も、古代文明の遺物をそのまま使っていてメンテナンスもままならなかったみたいですし。それをルリイが単独で直せるようになっているんだから、彼女も成長著しいですねぇ。
駆け足のレベルアップを追えて、グレヴィルが宣言した期日よりも早く攻め込むことにしたマティアス。
グレヴィルにも目的があって。大結界を破壊できるだけの備えをしていたりしたのは厄介でしたが。まぁ、マティアスが真意に気付いたことで、平穏な決着を迎えられたのは良かった。