「はい! 危険な依頼を避けたり、お金のことを気にしたり……とにかく普通なんです! 第二学園校長から『マティアスを名乗る常識人が現れたら、そいつは偽物だ』って通達が出ています!」
死者を蘇らせる壊星。それに対処するために、自分の魂を使って前世のガイウスを呼び起こし、その力を振るうことにしたマティアス。
6秒間という制限がついては居ましたが、その短時間で壊星を宇宙に送り返し、周囲一帯の危険な魔獣を排除した上で、時間が余るって言うんだから恐ろしい。
それだけのことをやっておきながら「ガイウスの紋章は栄光紋だから、魔力が重いわー」とか思ってるんだから、常識外れにもほどがある。
おまけに余った時間で、あちこちで活動している下級魔族の排除までやってのけるんだから本当に恐ろしい。
6秒だけの復活で、ただのマティアスになった今ではできなくなったようですが、それにしたって……。
マティアスがあちこちで成果をあげたことで彼の名前が広がり、それを騙る人物も現れはじめたみたいですが。
『常識持ってたら偽物』なんて通達が出てるのも、正直納得するほかない。
絶対、マティアスの前世のガイウスが、今の時代に伝わる魔法の神になっているだろうに、当人はそれに気付いてる様子ないですしね……。なんで名前が同じなんだ、とか思ってるし。
壊星問題が解決したかと思えば、マティアスが近隣の下級魔人を証拠隠滅の暇もなく滅ぼしたことで、いくつかの文書が確保できて……新しい問題に直面することに。
それでも対処方法の心当たりがすぐに出てくるあたりは、流石マティアス。
世に災厄の種は尽きまじと言ったところか。ここまで問題が頻発するってことは、どこかに壊星みたいな厄ネタが埋まってそうな気がします。
マティアスがいないと対処できない問題ばっかり、というのも恣意的と言うか。むしろ転生したマティアスが何か問題の種引っ張ってきたのでは疑惑が自分の中に浮上してきた。