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『……もちろん、やってもらって大丈夫だ。だが……マティアスが作る教育施設と、生産設備だよな? 国家を大きく変えるレベルの話になりそうなきがするのは……気のせいか?』

『恐らく、気のせいではないかと……』

 

新たに蘇った「混沌の魔族」に対処するため、人食らう刃を求めたマティアス。

魔族の妨害工作もあったものの、しっかり撃退して目的を達成してるのが実に彼らしい。

今回の敵はザドギルギアス。かつてマティアスが撃退した魔族であり……彼と同じように、転生して現代にやってきた魔人。

 

これまでの魔族は技術方面に秀でたマティアスが優位をとって対応できたが……今回の敵は、戦闘技術においても、マティアスに迫るそうで。

並みの魔族に対処できた古の時代に生きた部隊を撃退した実績すらあるそうで、厄介極まりない。

 

ただし、魂に傷がある不完全な部分のある転生だとマティアスに気付かれたのが運のツキ。

これだけの面倒事が立て続けに起こることに、流石にマティアスもそろそろ疑問を持ち始めたようで。裏側になにか「本当の原因」があるのかもしれないと疑いをもっていたので、いつか答えが出るのを待ちたい。

 

イリスの協力を得たことで、街の建造物に被害が出てはいましたが。

事前に避難を促していたこと。王国からの応援があったことなどもあり、人的被害が出ていないのはお見事というほかない。

ただ、例によって魔族が領主になりかわった上、重税を課していたため、領地は荒れた上に責任を取る人物がいない。まるまる領地が宙に浮いた状態になっていたわけですが。

 

ダンジョンが近くにある事などから、マティアスが興味を示して、これまでの貢献に報いるという意味も込めてついに正式に貴族に任じられることになって。

あちこち飛び回りたいマティアスをトップに据えても、対処できるチームを結成してたあたり国王も準備がいい。

引き受けた以上はマティアスもある程度は真面目に仕事するつもりありそうですけどね。……彼が欲しい設備を作る、という名目があるにせよ。