「……シリル団長は立派な領主だと思いますし、サザランドの住人も好きです。どこにも悪い人がいないのに、仲良くなれない現状は間違っていると思います。……私がどれだけお手伝いできるかわかりませんが、お手伝いさせてください」
シリル団長に誘われて、彼の領地であるサザランドを訪問することになったフィーア。
サザランドは大聖女時代に彼女の護衛騎士を務めたカノープスの領地だったこともやシリルに唆されたこともあって、そこを訪問することになったわけですが。
かつての国旗は青と白だったため、秀でた騎士には『青騎士』に『白騎士』という称号が与えられていて、カノープスもまた『青騎士』だったそうです。
今の国旗は赤地に黒い竜の紋章に変わっているし、赤は大聖女の赤であるため騎士の称号には使われていないとか。
……フィーア、過去の常識を当たり前のように語るわりに、今の変化とかに疎いから発言びっくり箱すぎるんだよなぁ。
あとは、そうやって大聖女を祭り上げてるわりに、精霊は遠ざかっているし聖女もあり方も変わっているし、本当に時の流れの無常さを感じるというかあちこち歪だなぁと読むたびに思いますね。
大聖女に救われたサザーランドの住人達が、真摯にそれを継いできていたのを思うと、聖女関連の伝承、どこかで恣意的に曲げられているのでは疑惑があるけど、どうなんだろう。
10年ほど前に領主と住人の間で衝突が起きた都市、サザーランド。
大聖女の伝承を継いで生きた彼らは、同じ色を持つフィーアを尊重する姿勢を見せてはいましたが。
過去の因縁以外の、新たなトラブルまで発生していて……そこで、フィーアにとってかけがえの無い再会が待っていたのは面白かったですね。
フィーアの常識外れな部分フォローしてくれるといいですけど、あの縛られない行動力があってこそ、問題に対峙したときの突破力につながるわけですから制限しすぎるのも良くない、と思う気持ちもあるが。さて、絡まり合った問題がどう決着することになるのか。続きが楽しみです。