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「……フィー様、あなた様は昔からそうでした。大変な騒動に巻き込まれることが多々ありましたが、周りに集まるのはいつだって、あなた様のために何かをしようとする人間ばかりなのです」

 

フィーアがいよいよ訓練を修了することになり、その後3週間の休暇をもらうことになって。

本格的に警護を開始する前に実家などに帰ってリフレッシュしてこい、という名目のようですが。フィーアの家族は全員が騎士であちこちに任地を貰っているために、実家に帰っても会えない。

 

だから仲の良かった姉が務めている北方を訪れることに決めて。

……その裏には、霊峰に帰ってしまった従魔ザビリアが恋しくなったから、と言う意味もあったようです。

素直すぎるフィーアの思惑はすぐシリル達にもバレて、カーティスが同行することになって。

 

さらには、帝国関係者であるグリーンとブルーとも再会し、なんだかんだで行動をともにすることになっていましたが。

クラリッサやカーティスなんかは流石に裏に気付いていたけれど、フィーアがさっぱりなの、いっそ面白いな……。

 

ザビリアに会いに行った時、配下の竜が暴走して火を噴かれたりしてましたが、しれっと対処できてるし。竜の群れを目撃した時、万一があったとき対処できるかと戦力分析を正確にしているあたり、スペック悪くないはずなんですけどねフィーア。どうしてこんな天然なんだ。

ザビリアに言わせれば、だいたいのことには困らずに対処できるから、細かいところには注意しない傾向があるんじゃないかってことでしたが。

そんな彼女も魔王の右腕には恐怖しているんだから、恐ろしいというか色々衰退した現代でもし魔族と遭遇してしまったら、どうなってしまうんだろうかという不安はあるなぁ。

 

300年前のエピソードもいくつか挟まってきてますが、かつて大聖女の騎士だったシリウスが名をあらためて皇帝となっていたりするし、彼女の死後に果たして何が起きていたのか。疑問も増えていくなぁ。